小学校に入学すると一人で登下校するようになりますが、そこで心配なのが交通事故。7歳は歩行中の死傷者数が最も多いという統計結果があり、特に注意が必要です。
今回は、子どもの交通事故の現状や、事故を防ぐために教えておきたいことなどをご紹介します。
小学生の歩行中の事故の特徴は?
2012年〜2019年までの警察庁の統計から、交通事故による死者数や死傷者数をまとめました(※1)。
小学生の事故件数は?どこで起こるの?
2019年の小学生の歩行中の事故における死者は7名、重傷者数は486名でした(※1)。歩行中の死傷者数は、高齢者を含めた全年齢の中で7歳(小学1・2年生)が最も多いです(※2)。
また、事故は歩道を通行しているときや、路上で遊んでいるときにも起きていますが、
● 交差点内
で起こることが多いです。
何時頃に起きやすいの?
死傷者数を時間帯別にみると、7時台と15〜17時台が多く、登下校中に事故が起きやすいことがわかります。
何月に起きやすいの?
死傷者数を月別にみると、4〜7月、10月〜11月が多いです。
4月より5月の方が件数が多いのは、子どもの通学の慣れによる慢心や、4月ほど大人の目が多くないことが原因に挙げられます。
どうして小学生の事故が多いの?
小学生の事故は、以下の「子どもの特性」が原因であることが多いです。
一つのものに注意が向くと、
周りのものが目に入らなくなる
遊びに夢中になって車に気づかなかったり、ボールなどを追いかけて道路に飛び出してしまいます。
状況に応じた適切な判断ができにくい
青になると一目散に走り出したり、手を上げれば車は止まると思い込み、車が止まっていないのに歩き出したりします。
車のスピードの判断ができず、渡れると思って飛び出してしまうことも。
気分によって行動が変わる
気分が高揚して、急に走り出してしまい事故に繋がることもあります。
大人の真似をする
大人が信号無視や、横断歩道のないところを横切るのを真似して事故にあうことも。
物陰で遊ぶ傾向がある
大人の見えない物陰で遊んでいて飛び出したり、ドライバーが見えないところで遊んでしまいがちです。
親が心がけておきたいことは?
子どもの交通事故を防ぐために、親が心がけておきたいことがあります。
抽象的な言葉を使わない
子どもは「危ないからダメ」「注意しなさい」といった抽象的な言葉では理解できません。
「ここで飛び出すと、走っている車にぶつかって大ケガをするよ」「車が多いから、止まって左右をよく見て渡ろうね」といった具体的な言葉で伝えるようにしましょう。
繰り返し伝える
何度も繰り返し伝えて、理解できているか確認することが大切です。「ここから飛び出すとどうなるかな?」と聞いて考えさせてみるのも◎。
親がお手本を見せる
必ず歩道を歩くようにして、横断歩道がないところや、信号が点滅しているときに無理に渡ったりはしないでください。
子どもの目線で通学路を確認する
通学路にはガードレールがない歩道などがあります。「何に気をつけて歩けばいいかな?」と声とかけて一緒に考えてみましょう。
また、子どもは背が低く、大人よりも視界が狭いです。子どもの目線で通学路を歩いて、危険なところがないか確認しておきましょう。
実際に歩く前に、通学路で事故が起きやすい道がないか下記のサイトで確認しておくと安心ですよ。
子どもに伝えておくべきことは?
子どもに教えておきたいことを以下にまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
繰り返し安全を確認すること
車はすぐには止まれないこと、影からでてくることがあることを伝え、横断中も周囲を見渡すように教えてあげてくださいね。
信号のないところで道を渡る方法
信号がない場合は、できるだけ近くの信号まで歩くか、歩道橋や地下道を使うように伝えましょう。歩道橋や地下道がない場合は、道を渡る場所として見通しのいい場所を指定し、左右をよく確認した上で渡れることを確認しておきましょう。
信号や標識の意味
信号だけでなく標識の意味もわかっていると安心です。以下の道路標識を子どもが理解できているか確認してみてくださいね。
● 一時停止
● 横断歩道
● 歩行者横断禁止
● 歩行者通行止め
● 歩行者専用
子どもに繰り返し交通ルールを教えよう
小学校が決まったら子どもと一緒に実際に通学路を歩いてみましょう。実際に通学する時間に歩くと、車や人の交通量が分かるのでおすすめですよ。
交通ルールをしっかりと身に付けて、楽しい小学校生活を送れるといいですね!