パーコール法とは?人工授精での産み分け方法や費用、確率は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

「男の子が欲しい!」「女の子が欲しい!」そんな望みがあるかもしれませんが、産み分け法として色々な方法が検討されていることをご存じですか?なかでも今回ご紹介する「パーコール法」は、産み分法として古くから考えられている方法です。パーコール法とは、いったいどんな方法なのでしょうか。具体的に産み分けの方法や費用、確率をご説明します。

パーコール法とは?

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パーコール法とは、人工授精や体外受精、顕微授精を行う際に、精液から不要物質や奇形精子を取り除き、質の良い精子を選別して濃縮するための「精子調整法」の一つです(※1)。女の子を産み分ける試みとして、不妊治療を実施している病院でパーコール法が行われることもあります。

日本産科婦人科学会は、2006年4月まで、安全性が確立されていないという理由から、重篤な遺伝性疾患を回避する目的を除いて、パーコールの使用を認めていませんでした(※2)。

現在、同学会では、パーコールの使用によって重篤な副作用が起きたケースは報告されていないことから、「使用を認めない」という見解は撤回していますが、産み分け目的で使用することを容認しているわけではありません(※2)。

ただし、パーコール法自体が法律的に禁止されているわけではなく、遺伝性の重い病気を回避する目的で用いるなど、医師の裁量に委ねられている面があります。

パーコール法とは、どんな風に産み分けするの?費用は?

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それでは、パーコール法はどのような方法を使って、産み分けをすることができるのでしょうか?

まず、生まれてくる赤ちゃんの性別はX・Y染色体の組み合わせによって決まり、卵子はX染色体だけを、精子はX・Y染色体のいずれかを含んでいます。卵子とX染色体を持つ精子(X精子)が受精すれば女の子(XX)、Y染色体を持つ精子(Y精子)なら男の子(XY)となります。

パーコール法では、男性の精液をパーコール液という特殊な液体に入れて、遠心分離器にかけます。Y精子よりもX精子の方が重いので、分離器の下にたまった精子を人工授精することで、女の子が産まれやすくなるというわけです。

費用は病院によって異なりますが、1回あたり5万円くらいが平均といえるでしょう。

パーコール法で産み分けが成功する確率は?

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この方法を使えば、100%女の子が産まれると思いがちですが、実際には、そうではありません。精液を遠心分離器にかけることで、ある程度振り分けることができたとしても、X染色体を持つ精子だけを確実に選ぶことは難しいためです。

自然妊娠の場合、女の子が生まれる確率は50%なので、それに比べれば、多少は高い確率で女の子を授かることができるのではないかと考えられていますが、パーコール法の成功確率について、厚生労働省や日本産科婦人科学会など、信頼できる機関からの統計データが発表されているわけではありません。

パーコール法のメリット、デメリットは?

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パーコール法について検討するうえで、メリットもデメリットも把握しておく必要があります。もし、男女の産み分け法としてパーコール法を考えている場合は、下記の特徴を理解したうえで医師に相談してみましょう。

パーコール法のメリット

現在、産み分けを実施している多くの病院では、自然妊娠の人には、産み分けゼリーなどを推奨しています。

パーコール法ならば、自然妊娠を望めない夫婦でも産み分けに挑戦することができます。現在、人工授精で産み分けを試すことができる方法として挙げられるのが、パーコール法といえます。

パーコール法のデメリット

パーコール法を受けたとしても、確実性が証明された方法ではなく、100%の産み分けはできないことを理解しておく必要があります。

また、パーコール法に挑戦したとしても、必ず妊娠できるわけではありません。そのときは、何度か挑戦する必要があり、それなりの費用がかかります。

パーコール法以外に女の子を産み分ける方法は?

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先述のとおり、卵子と精子の持つ染色体の組み合わせで性別が決まるので、女の子が欲しい場合には「多くのX精子を卵子のもとに届ける」ことが必要です。

女の子の産み分けとして、パーコール法以外に次のような方法が古くから考えられています。

● 排卵日の2日くらい前に性交渉をする
● 2~3日に1回は射精し、精液を薄めておく
● 性交はあっさりと、射精は腟内の浅いところで行う
● 女の子用の産み分けゼリーを使う

いずれも医学的に証明された方法ではなく、もちろん成功率は100%ではないため、あくまでも一つの方法として考えてみてくださいね。

パーコール法の実施について、夫婦でよく話し合いましょう

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赤ちゃんの性別を産み分ける方法があるなら、試してみたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、パーコール法はじめ、産み分け法にはデメリットもあり、確実な方法ではないため必ず成功するわけではありません。

その前提を踏まえたうえで、医師に相談し、夫婦でじっくり話し合ってから、産み分け法に挑戦するかどうかを選択してくださいね。

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