洗濯が楽で軽装な夏の時期に「おむつをはずしたい!」と思うママ・パパは多いのではないでしょうか。下着や服が濡れても、洗濯すればすぐに乾くので楽な季節ではありますが、一方で子供の成長に合わせたタイミングも大切です。
それでは、子供の成長に合わせたタイミングとは、いつ頃なのでしょうか。今回は、おむつはずれを進めやすいタイミングや方法を小児科医の有馬慶太郎先生に伺いました。
茗荷谷キッズクリニック有馬慶太郎さん
茗荷谷キッズクリニック(東京都文京区)院長。小児科一般、アレルギー、小児救急、小児循環器などが専門。聖路加国際病院、日本赤十字社医療センターなどを経て現職に。地域のかかりつけ医として、親子の明るく健やかな生活をサポートしている。
子供が成長し、家族が落ち着いているときに
おむつはずれの基本は「あせらない、しからない、できたことをほめる、ほかの子と比べない」です。
子供本人の発達が大事ですから、なかなかおむつがはずれないのなら、成長が追い付いていないということもあります。
一般的な目安としておむつはずれのタイミングは2~3歳くらいと言われていますが、早産や低出生体重児で生まれてくる子供もいますし、発達にも個人差があります。
わが子の成長を見て、おむつはずれにチャレンジしていきましょう。
家庭の状況としては、年度初めや引っ越しなど家庭や生活の状況が変化するとき、大きなイベントがある前後は避けましょう。
「夏はおむつはずれに最適」というイメージを持っている人もいるかもしれません。その背景として夏はイベントが少なく、家庭の状況的にも落ち着いていて、洗濯も乾きやすいということがあるでしょう。
季節にこだわりすぎず、それぞれの家庭の状況にあわせて、ママ・パパが忙しくイライラするような時期を避けるのが無難です。
また、便秘はおむつはずしが上手くいかない原因となりうるため、かかりつけ医の先生に相談するようにしましょう。
トイレを使っている様子を見せ、不安を解消
家庭のトイレの状況が子供に適した環境かどうかも、大事なポイントです。
トイレで排泄をしたことがない子供にとっては、トイレは未知でよく分からないところ。
「ママやパパがドアを閉めてトイレに入って出てくる」シーンは見ていても、個室の中がどんな状況になっているのかわからないので、トイレは怖いところと思ってしまう子もいます。
「ママおしっこ行ってくるね」と声をかけて、下着を下ろして、トイレに座り、下着を整えて、手洗いをする。この一連の様子を見せてあげましょう。
なかには、うんちをすることが汚いこと、悪いことという意識を持ってしまっている子もいます。
「トイレを使うことは、恥ずかしい行いではない」ということを子供に理解してもらうことも大切です。おしっこやうんちをすることは、汚いことではないとしっかり伝え、嫌悪感を持たせないようにしましょう。
トイレが暗ければ明るくして、補助便座を用意したり、かわいいタオルをかけたりなど、ちょっとした工夫をするのもおすすめです。「トイレは怖いところかも」という恐怖感をぬぐってあげましょう。
子供の様子に合わせてトイレに誘う
赤ちゃんは膀胱に尿がたまると、反射的にそのまま排泄をします。膀胱が成熟すると、おしっこを溜められるようになります。
昼寝の間におしっこをしていなかったり、2時間程度おしっこの間隔があいて、「(おしっこ)出たよ」と伝えられたら、おむつはずれのスタートの目安。
おしっこと、うんちが出る違いを子供がわかることも大切です。ママ・パパたちも、うんちをしているときには子供の行動が止まるなど、様子をキャッチしましょう。子供が一人でズボンの上げ下げができていることも大切です。
ママ・パパが子供のおしっこやうんちのタイミングを、ある程度把握できるといいですね。寝起きや帰宅後、食後少ししたらトイレに誘ってみるなど、1日の流れの中でトイレに行くタイミングを作っていきましょう。
- 2~3時間、排尿がない。おしっこの間隔があいている
- おしっこが出たことを知らせる。「ちっちした」「出た」など
おむつはずれに失敗はつきもの
トイレでできるようになっても、遊びに夢中になったり、初めての場所に行って緊張したときなどは、失敗してしまうこともあります。また、下の子が生まれるときに、赤ちゃん返りしておもらししたり、トイレですることを嫌がったり、おむつをつけたがる子もいます。
どちらも一時的なことですから、叱らず対応し、できたらほめることを意識してみてくださいね。
おむつはずれも親子のコミュニケーション。成長の一過程ですから、やり取りを楽しみながらチャレンジしていきましょう。
出典:miku52号 2018年夏号
記事提供:絵本ナビ編集部
※掲載されている情報は、2018年7月24日当時のものです。一部加筆修正しています。