家族で一緒に過ごすお正月、皆さんは何をして過ごしますか?日本には、お正月に楽しめる伝統的な遊びがたくさんあります。普段はTVゲームやスマホゲームに夢中…という子供にとって、日本の文化に触れる良い機会になりますよ。今回は、世代を越えて楽しめるお正月の伝承遊びの由来や遊び方をご紹介します。
伝承遊びとは?どんな魅力があるの?
伝承遊びとは、日本で昔から受け継がれてきた遊びのことです。
といっても、古いものばかりではなく、鬼ごっこやかくれんぼ、「だるまさんがころんだ」など、子供にとって定番の遊びも伝承遊びに含まれます。
お正月に親しまれてきた伝承遊びは、今ではあまり行わない家庭も多いですが、祖父母など異なる世代の大人とのコミュニケーションにもつながります。
また、子供の体の発達を促したり、知恵を育んだりしてくれる側面もあるので、家族でゆっくり過ごせるお正月の機会に伝承遊びをするのもおすすめですよ。
家族団らんにおすすめのお正月の伝承遊びは?
家族みんなで丸くなって楽しめるお正月の伝承遊びは、大人も子供も一緒になって楽しめます。
まだ子供が小さい場合には、パパやママが子供とペアを組んだり、特別ルールを作ったりと工夫してみてくださいね。
双六(すごろく)
すごろくは、江戸時代から武士や庶民のあいだで親しまれてきた遊びです。
サイコロを振って出た目の数だけコマを進め、早くゴールした人が勝ち、とルールがシンプルなので、小さな子供から大人まで楽しむことができます。何人でも参加できるのも魅力の一つ。
おじいちゃんやおばあちゃん、いとこやほかの親戚にも参加してもらって、みんなでわいわい楽しむのもいいですね。
いろはかるた・百人一首かるた
「かるた」の語源はポルトガル語ですが、読み札と取り札の2種類があるカード遊びは、日本独自のものです。
「いろはかるた」は、子供にもわかりやすいことわざを用いたものなので、文字や言葉を覚えるのに役立ちますよ。
「百人一首かるた」は、平安時代の和歌を集めたものです。まだ子供が小さくて難しい、という場合には「坊主めくり」を楽しんでみてはいかがでしょうか?シンプルかつ運任せのルールなので、大人も思わず白熱してしまいますよ。
坊主めくりのルール
1. 絵札を裏返して山にする
2. 1人1枚ずつ札を山からめくっていき、出た札に描かれている人の種類によって手札をもらうか、場に出す
・男性:手持ちの札にする
・坊主:手持ちの札をすべて場に出す
・女性:それまでに場に置かれていた札を全部もらう
・お殿様:山から10枚もらう(10枚未満の場合は全部)
3. 山がなくなった時点で一番多く札を持っていた人が勝ち
手作りおもちゃで楽しむお正月の伝承遊びは?
自分の意思で手や指先を動かしておもちゃを作ることで、子供の集中力や忍耐力、創造力、思考力を育むことができます。
また、自分で作ったおもちゃであれば愛着が湧いて、大切に遊ぼうという気持ちになるかもしれませんね。
とんとん相撲
簡単に作れる定番の手作りおもちゃです。本物の相撲を見たことがない子供でも、とんとん相撲であれば机の上で気軽に楽しめますよ。
力士だけではなく、怪獣や動物の形に厚紙を切ってあげるのもおすすめです。対戦表を作って、家族みんなで盛り上がりましょう。
とんとん相撲の材料
・土俵用の空き箱
・力士用の厚紙
・力士を装飾する折り紙やペン、色鉛筆、クレヨン
とんとん相撲の遊び方
1. 空き箱の表面に紙を貼り、土俵の円と真ん中に線を引く
2. 厚紙を力士の形に切る
3. お好みで力士に色を塗ったり、シールを貼ったりする
4. できあがった力士を向かい合わせにして箱の中心におく
5. 「はっけよーい、のこった!」のかけ声で、土俵の箱のふちをとんとん叩く
6. 力士が先に倒れるか、土俵の外に出てしまった方が負け
福笑い
福笑いは、目隠しをして、おかめさんの輪郭を描いた紙の上に目や鼻などのパーツを置いていく遊びです。明治時代以降にお正月の遊びとして定着しました。
「笑う門には福来る」ということわざがあるように、新たな1年の幸せを願って行われた遊びのようです。思いもよらない変な顔ができあがるので、家族みんなで大笑いして福を呼びこみましょう。
「一番面白い顔を作った人が勝ち」など、家族で自由にルールを決めて遊んでみてくださいね。
福笑いの材料
・画用紙
・鉛筆
・はさみ
・カラーペンや色鉛筆
福笑いの遊び方
1. 画用紙に土台となる顔を描く
2. 顔のサイズに合わせて眉・目・鼻・口などのパーツを作る
3. 床やテーブルの上にパーツを並べる
4. 1人が目隠しをして、顔のパーツを正しいと思う位置に置いていく
5. 目隠しをとって完成した顔をみんなで見てみる
外で元気に楽しめるお正月の伝承遊びは?
せっかくのお正月休みなので、みんなで外に出て遊ぶのも楽しいですね。澄んだ空気のなかで伝承遊びをすると、気持ちがすっきりしますよ。
外で思いっきり遊んだ後は、あたたかい家で熱々のお雑煮を食べると、家族の思い出がまた一つ増えますね。
凧揚げ
「立春の季に空に向くは養生のひとつ」という言葉を聞いたことがありますか?暦のうえで春が始まる立春(2月4日頃)の時期に空を見上げると健康に良い、という意味です。この言葉が転じて、お正月に凧揚げが行われるようになりました。
凧を買っていざやってみても、揚がらなかったという経験をしたことはありませんか?ポイントは、風のある日に河川敷や海辺などの広い場所で行うことです。立木があると引っかかってしまうので注意しましょう。
都会では電線や建物が多く、なかなか自由に凧を揚げるのが難しいかもしれませんが、田舎に帰省したときなど十分なスペースがあれば、ぜひ凧揚げで遊んでみてくださいね。
羽根つき
羽根つきは、羽子板で羽根をつくことで1年間の厄を払い、子供の健やかな成長を願う遊びです。羽根を打ち損ねたときに顔に墨を塗るのも、魔除けのおまじないの一種でした。
羽子板は、子供を邪気から守るお守りと考えられており、初正月を迎えた女の子に羽子板を贈ったり、1年間大切に飾っておいたりする地域もありますよ。
羽根つきには、2人で対戦する「追い羽根」や、1人で何回連続で羽根をつけるかを競う「つき羽根」などの遊び方があります。つき羽根には地域独特の歌もあるので、おじいちゃんやおばあちゃんに聞いてみるのもいいですね。
お正月の伝承遊びを家族で楽しみましょう
昔から伝わる伝承遊びは、幸せを呼びこんだり、子供の元気な成長を願ったりするものも多く、1年の始まりに家族で楽しむのにぴったり。おじいちゃんやおばあちゃんにコツを教えてもらうなど、親戚同士の会話の幅を広げるきっかけにもしてみてくださいね。
色々な伝承遊びを楽しみながら、素敵な新年を迎えられますように。