不妊治療は保険が適用されますが、治療方法や継続期間によって個人差が大きく、費用がかさむことも考えられます。そのため、不妊治療に関する民間の保険に入る人も少なくありません。
そこで今回は、不妊治療の民間の保険には入るべきなのか、どんな種類があるのか、保障金額や注意点などについてご紹介します。
不妊治療で民間の保険に入る必要はある?
不妊治療は、タイミング法や人工授精といった「一般不妊治療」、体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療(特定不妊治療)」を含め公的医療保険が適用されます。
自己負担額は3割程ですが、体外受精や顕微授精となると、1回の治療で10万円を超えることもあり、治療の期間により費用がかさみます。
また、治療によっては保険が適用されないものもあり、手術費や入院費なども実費でまかなう必要のあるケースも。
公的医療保険では費用を補いきれない場合を考えて、民間の保険に入るのも1つの方法です。
ただし、民間の保険で不妊治療のみに特化したものは現段階ではありません。基本的にはがん・急性心筋梗塞・脳卒中といった3大疾病の保険に含まれているか、もしくは女性特有の病気や出産に関する特約としてプラスすることがほとんどです。
他の病気に関する保険のオプションとして不妊治療が保障されたり、出産による一時金が受け取れたりするものがあるということは知っておきましょう。
不妊治療の保険には、どんなものがあるの?
以下では、不妊治療に対する保障が含まれる民間の保険をまとめました。
日本生命保険「シュシュ」(※1)
3大疾病や死亡に加え、出産や特定不妊治療に備えることができる保険です。
不妊治療に関する保障内容
体外受精や顕微授精といった特定不妊治療の過程で、採卵または胚移植を受けた時に、1〜6回目は5万円/回、7〜12回目は10万円/回が受け取れます。
ほかに、加入後1年以降の出産であれば、出産給付金を受け取ることができます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
● 給付金が受け取れる上限は12回まで
● 加入後2年を経過してから保障が開始される
三井住友海上あいおい生命「&LIFE 新医療保険Aプレミア」(※2)
基本は入院や手術等を保障する終身医療保険ですが、ニーズに合わせてその他の保障を組み合わせることができ、出産・不妊治療等に備える「女性サポート給付金付ガン診断給付特約」をつけることができます。
不妊治療に関する保障内容
体外受精や顕微授精の過程で、採卵または胚移植を受けた時に、1〜6回目は2.5万円/回、7〜12回目は5万円/回が受け取れます。
ほかに、加入後1年以降の出産であれば、出産給付金を受け取ることができます。
ただし、以下の点に注意しましょう。
● 給付金が受け取れる上限は12回まで
● 加入後90日が経過した日の翌日(91日目)から保障が開始される
アクサ生命「スマート・ケア」(※3)
基本は終身医療保険ですが、体外受精や顕微授精の過程で、採卵 ・胚移植 ・精巣または精巣上体からの採精を行った時に、手術給付金を受け取れます。また男性不妊も対象となっています。
ただし、以下の点に注意しましょう。
● 給付金の受け取りは1回が限度
● 加入後2年を経過した後の手術に限る
● 戸籍上の夫婦に限る
はなさく生命「はなさく医療」(※4)
基本は終身医療保険ですが、オプションで「女性医療特約」をつけることができます。
不妊治療に関する保障内容
体外受精や顕微授精の過程で、採卵または胚移植を受けた時に、女性疾病入院給付日額の10倍の額を受け取れます。
ただし、以下の点に注意しましょう。
● 給付金の受け取りは1回が限度
● 加入後2年を経過した後の手術に限る
不妊治療の保険における注意点は?
不妊治療の民間保険に加入する際には、以下の点に注意しましょう。
加入後すぐには保障対象にならない
上記でご紹介したすべての保険で、開始日から一定の不担保期間があり、加入してすぐに不妊治療を受けたとしても、給付金を受け取ることはできません。くれぐれも加入するタイミングには気をつけましょう。
年齢制限がある
不妊治療に対する保障が含まれる民間保険では、加入時の年齢が16〜40歳までと制限がある場合がほとんどです。各保険により異なるため、加入前に確認をしましょう。
給付金の受け取り回数に上限がある
上記の各保険のご説明にもありますが、給付金を受け取れる回数には上限があるので、見落とさないようにしましょう。
健康状態の告知が必要
保険を契約する際には、健康状態や現在何らかの治療を受けていないかどうかなどを告知する義務があります。
この時、例えば不妊の原因となる病気がすでに見つかっていると、給付金の支払いの対象とならない場合があります。
不妊治療の保険は、医療保険に入る際に一緒に検討しよう
不妊治療に対する保障が含まれる民間保険は、加入後に一定の期間が必要であったり、年齢制限や受け取り回数の上限があったりなどの特徴はありますが、治療が長期にわたった場合は負担を減らすことができます。
今後のことを考えて、不妊治療をオプションとしてつけるかどうか、パートナーと話し合ってみてくださいね。