【パパ向け】はじめての住宅ローン入門

監修専門家 ファイナンシャルプランナー 裏門 春菜
裏門 春菜 ファイナンシャルプランナー。元々は自分自身も「お金のことは難しい」「初心者すぎて何から始めればいいか分からない」と悩んできました。だからこそ、同じように不安を抱える方の力になりたいと考え、FPの道へ。... 監修記事一覧へ

家の購入を考えるときに立ちはだかるのが住宅ローン。

「35年も借金って大丈夫?」「うちの収入でどれくらい借りられる?」そんな不安を持つパパも多いのではないでしょうか。

子育て期のパパにとって大切なのは、“借りられる金額”より家族の暮らしを守りながら返していける安心感。この記事では住宅ローンの基礎から控除、シミュレーションまで、やさしく解説します。

住宅ローンってどれくらい借りられるの?

ゼロリノベ事例3-2
住宅ローンの審査は、「返済負担率(年収に対する返済額の割合)」を基準に行われます。

目安は年収の25〜30%以内とされていますよ。

年収600万円の場合

● 年収の25%=年間150万円=月12.5万円
● 借入可能額:約4,000万〜5,000万円

ただしこれは「借りられる額」。「安心して返せる額」は別ものです。

子育て費用を考えると、手取りの20〜25%以内におさめるのがおすすめです。

金利の種類って?

お金 通帳
住宅ローンの返済額を左右するのが「金利」で、大きく分けて3種類あります。

固定金利型

返済が終わるまで金利が変わらないので、安心重視。

変動金利型

半年ごとに金利が見直されて、固定金利よりも安い傾向。将来上がるリスクもあります。

固定期間選択型

固定と変動の中間で、10年だけ固定金利型、その後変動金利型になります。

「安心をとるか」「安さをとるか」で選び方が変わります。ここは迷う方が多いので、プロに聞いておくと安心ですね。

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パパに人気なのはどれ?

パパ ママ 赤ちゃん 親子 笑顔

では、住宅ローンはどこから借りるのがいいのでしょうか。メリットとともに見ていきましょう。

大手金融機関(メガバンク・地方銀行・ネット銀行)

会社員や公務員のパパがまず検討したいのが、大手金融機関の住宅ローンです。

● 競争力のある低金利(変動金利型なら0.3〜0.5%台も)
● ネット銀行なら事務手数料が比較的安い、繰上げ返済も柔軟
● 提携割引(給与振込口座・カード利用など)でさらに金利優遇が受けられる
● 総返済額を数百万円単位で抑えられる可能性がある

という特徴があります。「勤務先が安定している会社員・公務員なら、まずは銀行ローンを比較する」ことが基本の流れです。

フラット35

一方で、勤務形態や勤続年数の関係で銀行ローンの審査が難しい場合に検討したいのがフラット35。

● 最長35年、金利がずっと固定
● 繰り上げ返済手数料が無料
● 自営業や転職直後でも借りやすい場合がある

このような特徴があり、「子育て期に返済額が変わらない安心感」が魅力です。

住宅ローンを組むときに頭金は必要?

お金 計算機

昔は「2割が常識」と言われていましたが、今は頭金ゼロでも借入可能です。ただし、頭金を入れると、

● 月々の返済が軽くなる
● 総返済額が減る

というメリットがあります。

とはいえ、家を購入するときは諸費用が現金で住宅価格の5~10%ほど必要となります。

諸費用を抜いて、なお手持ちに余裕がある場合は、頭金を入れておくといいですね。

あえて頭金を入れないという選択も

最近は「頭金を入れずに、浮いた資金を投資に回す」パパも増えています。

というのも、昨今は住宅ローン金利が歴史的に見ても非常に低い状態(0.5〜0.8%程度)なので、その分を NISAや投資信託に回せば、長期的にはローン金利以上のリターンを期待できるからです。

さらに、住宅ローンには団体信用生命保険(団信)がセットになっており、万一のときはローン残債がゼロになります。

頭金を多く入れるより、手元資金を厚く残しておくことで、教育費や急な支出に対応できる安心感がありますね。

住宅ローン控除も活用しよう!

男性 お金 資産運用

「住宅ローン控除」はローンを組む人の心強い味方です。

毎年の年末ローン残高の0.7%を、所得税・住民税から差し引いてくれますよ。

新築は13年間、中古・リフォームは10年間続きます。

控除上限(2025年入居の場合)

● 長期優良住宅・低炭素住宅:最大35万円/年
● ZEH水準住宅:最大31.5万円/年
● 省エネ基準住宅:最大28万円/年
● その他住宅:原則対象外(※経過措置あり)

5,000万円借入、初年度残高4,800万円の場合

控除額は4,800万×0.7%=33.6万円となり、所得税+住民税の範囲内で、実際に戻ってきます。

毎年、数十万単位で家計の助けになるありがたい制度ですね。

返済シミュレーションをしてみよう!

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住宅ローンを借りたら、「実際にいくら払うのか」をイメージしてみましょう。

借入額:5,000万円、金利1%、35年返済(420回)のケースで考えてみます。

● 毎月返済額:約141,000円
● 総返済額:約5,920万円
● 利息合計:約920万円

※ボーナス払いなし、元利均等返済

控除を組み合わせると、初年度残高約4,920万円なので、控除額は約34.4万円。

月14万円の返済でも、年間30万円以上が戻れば心理的にも安心感が増しますね。

住宅ローンのよくある失敗例

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● 借りられるだけ借りてしまい、家計がカツカツに
● 金利の仕組みを理解せず、返済額が増えて驚いた
● 住宅ローン控除を申請し忘れた

このような失敗はよく見られます。住宅ローンは「攻め」より「守り」が大切。

保育園や教育費、習い事の出費、将来の大学資金、車や生活費の増加など、子育て世帯には想像以上にお金がかかります。

住宅ローンは「借りられるか」より「安心して返せるか」で考えてくださいね。

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