2023年4月1日から従業員1,000名以上の企業の男性育休取得率の公表が義務化されるなど、関心が高まっている男性の育児休業。
これを読んでいるパパの中にも、育休取得を検討しているというパパも多いのではないでしょうか。
そこで今回、TBSポッドキャスト「ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~」の中で行われた、育児休業を取得した先輩パパたちの座談会の内容を抜粋してお届けします。
モデレータ
川島葵さん
4歳・1歳の2人の子どものママ。上智大学卒業後、アナウンサーとして東海ラジオ放送に入社。2012年に結婚を機にフリーアナウンサーとして活躍中。
座談会の参加者

TBSラジオ 記者
澤田 大樹さん
9歳・7歳・5歳の3人の子どものパパ。3回とも約1ヵ月の育児休業を取得。同社の男性で育児休業を取得したのは澤田さんが初。

ビジネス映像メディア『PIVOT』プロデューサー
国山 ハセンさん
1歳の子どものパパ。里帰り出産からママと赤ちゃんが帰ってきた生後2ヶ月の時点から、約3週間の育休を取得。元TBSアナウンサー。

『パパninaru』プロダクトオーナー
三木 悠輝さん
生後7ヶ月の子どものパパ。赤ちゃんが生まれた日から6ヶ月間の育休を取得。
パパの育休取得の理想と現実
育児休業取得率(令和3年度)(※1)
・女性:85.1%
・男性:13.97%
取得期間(令和2年度)(※2)
・女性:1年〜1年半が34%。10ヶ月から1年未満が30%。1年半〜2年未満が11.1%
・男性:5日〜2週間未満が26.5%。5日未満が25%、1ヶ月〜3ヶ月未満が24.5%

川島さん
厚生労働省の調査では、パパとママの育休の取得率や期間に差がありますよね(※1,2)。男性の場合、期間に関しては2週間未満が5割以上という結果に。
三木さんはninaruのユーザーの方にアンケートをとったことがあると伺いましたがどう思われますか?
はい。ママとパパの育休に対する意識の違いを聞いたことがあります。

三木さん

※画像をタップすると拡大できます
育休を取得したパパに「育休の満足度は10点中何点?」と質問したところ、平均7.5点だったんですが、期間が1か月未満の方だけ5.7点と、平均より低い結果でした。一方で、ママに「パパに望む育休の期間」を聞いたところ、「1か月以上」と答えた方が93%もいたんです。

三木さん

川島さん
理想と現実にかなり差がありますね。ハセンさんは男性の育休期間が短いことについて、どう思われますか?
最近、私も色々な場所で育休のお話をする機会が多いんですが、「取りたい」という男性社員は多くみられます。一方で、周りに迷惑をかけてしまうのではという心配や、キャリアに関しての不安があることで短くなりがちなのかなと感じます。

ハセンさん

澤田さん
特に大企業だと、男性育休の実績を作らなきゃいけない空気になっていると思います。でも、「取った」という事実さえあれば期間はどうでもいいという会社側の本音を感じて、2週間以内ぐらいになってるのではないかと思いますよね。

川島さん
みなさんはご自身の育休の期間についてどう思いますか?

澤田さん
夫婦で期間を1ヶ月と決めたんですが、その頃ちょうど新しい部署に異動するタイミングだったんです。今となってはもっと長く取っておけばよかったと思いますが、自分のキャリアアップに絶対影響が出そうとも感じましたね。
私の場合も夫婦で話し合って、結果的に3週間っていう期間にはなったんですが、もう少し長くとっても良かったなと思ってます。ただ育休そのものにはすごく満足度は高いので取って本当に良かったし、他の人にも取ってもらいたいと伝えたいんです。

ハセンさん
私の会社では、取りにくさは感じないのですが、仕事を休むとなると「1年だと長いな」と感じるので、半年ぐらいが限界かなって。あと、育児の土台を作れるみたいなところで6ヶ月にしました。

三木さん
パパの育休期間の過ごし方

川島さん
育休中、どんなことを担当するとかは育休に入る前に決めたんですか?
今思えば、そんなに細かく決められていなかったと思います。実際に生まれてみて、「こんなことも必要なのか!」と初めてわかることもありますし。

三木さん


澤田さん
一人目の時は、夫婦のご飯を作ったり、洗濯をやろうと思って臨みました。自炊していたので、料理については楽観視してたんですが、レパートリーが全然なくて。1ヶ月1日3食だと、90食を被らないようにしないといけないとか。しかも、パートナーからは「副菜が欲しい」と言われたんですが、「副菜」という概念が僕にはなかったんです。だから、『きのう何食べた?』っていう漫画を見てレシピを端から再現していましたね。
私の場合は妻と二人三脚というか基本的に同じ動きをしていました。例えば夜泣きでも一緒に起きて妻があやしている間に私がミルク作っておくとか。そういう意味では妻と生活のルーティンを合わせるのは、家族みんなで辛いことを乗り越えるみたいな風に過ごしてた覚えがあります。

ハセンさん
もう一度、育休を取るとしたら何をする?

川島さん
これからまた皆さんが育休を取るとしたら、どれぐらいの時期に、どれぐらいの長さで、何をしたいと思いますか?
次も産後すぐから半年くらいは取ろうと思います。ただ、次回は反省を活かしたいと思っていて。実は妻が里帰り出産だったので、産後私も義実家について行って1ヶ月くらいは過ごそうと意気込んでいたんですけど…あの…大変でしたね。妻も退院した時には出産のダメージでボロボロだし、なにより1ヶ月間も相手方の実家で新生児のお世話をするのって、想像以上にいろいろと疲れてしまって。

三木さん

澤田さん
それは確かにそうでしょうね(笑)
(笑)

ハセンさん

義両親やママも理解してくれて、ちょっと僕だけ東京に戻ってきて。やっぱり頑張りすぎないことも大事というか、ここは後輩パパさんの参考にもなればと。

三木さん

澤田さん
私の場合は、育休に入る前に夫婦でちゃんと計画を立てるかもしれないですね。お互いが仕事に戻るタイミングをどうするかっていう話とかを。ただ、この座談会の前に夫婦で「何が大変だったかな」っていう話をしたんですけど「大変すぎて忘れてるよ」という結論になったので、同じことしちゃうんですよね、多分(笑)。

川島さん
わかります(笑)。ハセンさんはいかがですか?
「こういうところがママの不安・負担になるんだな」というのを育児を通してわかりました。それらの対策のためにも、次回は3ヶ月ぐらい取りたいですね。あと分割して取るのもアリじゃないかと思っています。

ハセンさん

川島さん
確かにそういう取り方もできますよね。もっと自由に考えていいっていうことですかね?
はい。でも、まだ分割で取りにくい感覚ありません?「また取るの?」って思われる人もいるでしょうし。だけど、制度としては問題ないはずなので、そういう取り方をする人がもっと増えていいんじゃないかなと思うんです。家族でゆっくり過ごしたいから、この期間は1ヶ月休みたい、っていう意思を尊重する社会でいいんじゃないかなと思うので。

ハセンさん
先輩パパたちの座談会、いかがでしたか?育児休業を取得するかどうかで悩んでいるパパは、ぜひ参考にしてみてくださいね!
この「ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~」はTBSポッドキャストで、毎週月曜午前10時配信しています。
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