「GIGAスクール構想」という言葉を聞いたことはありますか?耳にしたことがあっても、実際に何をするのか、どんな目的でするのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか。
今回は、GIGAスクール構想の概要や目的、そして実際に学校でどんなことをしているのかをご説明します。
GIGAスクール構想って何?
GIGAスクール構想は「1人1台に端末を与え、高速大容量の通信ネットワークを学校ごとに整備して、教育ICT環境を実現する」というプロジェクト(※1)。2019年に文部科学省が発表しました。「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)」を意味しています。
その背景には、日本の教育ICTの遅れがあります。2018年の調査によると、日本の学校の授業におけるデジタル機器の使用時間は、ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟するOECD加盟国の中で最下位で、子どもたちの教育環境には地域格差もありました(※2)。
そのため、GIGAスクール構想を推進し、すべての子どもたちが個別に最適化された教育を受けられるようにしようとしているのです。
小学校1、2年生は2023年度までに端末の整備が完了する予定ですが、小学校によっては既に1年生でも端末を使った授業をしているところもあります。
どんな端末を使ってどんなことをするの?
では、小学校ではどのような端末をどうやって使用するのでしょうか。社内の小学生の子どもがいるママとパパへアンケートをとってみました(※)。
端末の使用用途は?
● 家庭学習 33.3%
その他:ネットサーフィン、オンライン授業、連絡帳、趣味のプログラミング
学校での学習は全員が使用していますが、家庭学習でも使っているのは1/3という結果に。
端末は学校での学習や家庭学習で使うことを目的として配布されているので、それ以外の使用はNGとしているところが多いです。ただ、子どもの学びを進めたり、生活を便利にしたりするために使うのもOKとしていることもあるようです。
どんな学習に使っているの?
● 算数の授業で、大きさ比べに使う
● 国語の授業で、好きなものを撮影して、文章で紹介する
● 生き物や植物を撮影する
● ペンタブで字を書く練習をする
● 思い出の写真を撮って、ビデオを作る
どのような学習に使うかは小学校側に委ねられているので、使い方は千差万別のようでした。
学校によって、週に1回程度の使用であったり、毎日授業に使用していたりと使用頻度も異なります。
どの端末を使ってるの?
使用する端末は小学校によって異なりますが、全国的にもiPadやChromebookが多いようです。アンケートでは、Chromebookの方がやや多い結果でした。
端末は自宅に持って帰るの?
端末の持ち帰りについても小学校によって違いがあります。アンケートでは1/3は端末は持ち帰らず小学校に保管していました。
端末で親が注意することは?
子どもが小学校で端末を貸与されたら、注意しておいた方がいいことがあります。以下を参考してみてくださいね。
返却が必要なので丁寧に扱う
転校や卒業するときは端末を返却します。シールを貼ったり落書きをしたりはせず、次の人が気持ちよく使えるように、大切に扱いましょう。
端末を持って帰ってくる場合は、ランドセルをそっとおくように伝えておくと、画面が割れたりするような思わぬ事故を防ぐことができますよ。
フィルタリングの確認
不適切なホームページをブロックするフィルタリング機能は、小学生に端末を触らせる場合には必須といえます。しかし学校の端末はその設定がオフになっている場合も。初めて持って帰ってきたときに必ず確認しておきましょう。
保険の確認
保険の加入が義務か任意かは学校によって異なります。個人でモバイル保険に入る人もいるようです。
また、ペンや充電コードは消耗品として扱われたり、自宅での破損は保険外とされたりすることもあります。家に端末を持ち帰ってくるのであれば、学校に確認しておくと安心です。
学校によって違いがあることを知っておこう
GIGAスクール構想によって、今後は1人1端末配られるようになります。ただ、端末の使用ルールや授業での使い方、保険などは小学校によって大きな違いがあります。
端末についての説明会がない場合は、先生に確認しておくと安心ですよ。子どもが正しく端末を使って、のびのびと学習できるようになるといいですね。
※アンケート概要
実施期間:2022年4月25日~4月27日
調査対象:小学生の子どもがいるママパパ
有効回答数:9件
収集方法:Webアンケート