この春、卒園式を迎える子供がいるママやパパの多くが「つい先日、入園したばかりなのに」と思っていることでしょう。なかには、卒園式で謝辞をお願いされた人もいるのではないでしょうか?そこで今回は、卒園式の謝辞とはどんな挨拶なのか、感動して泣ける謝辞の書き方のコツや例文をご紹介します。
卒園式の謝辞とは?挨拶とは違うの?
卒園式では、卒業証書の授与や園長先生の挨拶、卒園する園児による合唱など、保護者にとって子供の成長を感じて涙が止まらなくなる場面がたくさんあります。
そのなかで、卒園式に出席した保護者の涙を誘うもののひとつが「謝辞」です。
卒園式の謝辞とは、お世話になった園の先生たちに保護者を代表して感謝を気持ちを述べる挨拶です。
卒園式の謝辞という大役を任されて慌ててしまう人もいるかもしれませんが、きっと園での生活を振り返るいい機会になりますよ。
卒園式の謝辞の書き方のポイントとは?
卒園式の謝辞の書き方には、大きく分けて3つのポイントがあります。
1. 誰に向けた感謝の気持ちなのか、相手をしっかり想定すること
2. オリジナリティを出すこと
3. 文章の構成(メリハリ)を意識して単調にならないようにすること
以下では、卒園式の謝辞の具体的な書き方についてご説明します。
卒園式の謝辞のポイント1. 相手の想定
卒園式の謝辞は、感謝を伝える相手を思い浮かべるとグッと書きやすくなります。
卒園式の謝辞は園長先生をはじめとする園の先生、事務員さん、給食の調理師さん、園バスの運転手さんなど、子供が通っている園に勤務している職員に向けて書きます。
子供に先生や職員の人との思い出を聞いたり、その人たちの顔を思い浮かべたりしながら、手紙をつづるイメージで謝辞を書くと感謝の気持ちが伝わりやすいですよ。
卒園式の謝辞のポイント2. オリジナリティ
子供の成長が親の目にどう映ったのか、どう感じたのか、自分の言葉を入れるとオリジナリティがグッと増し、感動的な謝辞になります。
たとえば、実際に交わした会話や発言を、その口調を生かして入れると臨場感が増すのでおすすめです。
卒園式の謝辞のポイント3. 文章の構成
ダラダラと長く単調な文章だと、せっかくの感謝の気持ちも相手に伝わりません。卒園式の謝辞は、構成とメリハリを意識して書きましょう。
1. 導入の挨拶
保護者代表として、感謝の気持ちを述べることを伝えます。卒園式が行われる3月の季節の挨拶を入れると、改まった挨拶という印象になります。
3月の挨拶には、以下のものがよく使われます。
● あたたかい春の日差しを感じられるようになりました
● 花の便りも聞かれるようになりました
● 木々の芽吹きに春を感じられるようになりました
2. 卒園式を開催してもらったことへの感謝
1. の挨拶に続き、卒園式の準備と開催してもらったことへの感謝を伝えます。
卒園式には来賓も多く出席しているので、列席してもらったことへの感謝も忘れずに伝えます。
3. 園でのエピソードと先生への感謝
園での出来事や思い出を入れるだけでなく、その経験を通じて子供がどのように成長したのかを盛り込むことが、卒園式の謝辞のポイントです。
ただし謝辞は保護者代表としての挨拶なので、個人的な内容にならないように注意しましょう。
卒園式の謝辞のクライマックスはなんといってもこの部分です。その場にいるみんなで分かち合えるため、いちばんの感動ポイントですよ。具体例を入れて膨らませるように工夫しましょう。
感動的な謝辞になる文例を後から紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
4. 子供たちへの願い
小学校や、その先の子供たちの未来について触れます。
子供たちに呼びかける形式をとる人もいますが、謝辞なので、先生たちに向けて「●●園で学んだこと生かし、〜ことを期待します」と伝える方が自然でしょう。
3. で触れた園での経験や先生たちのサポートで、子供たちが大きく成長したことを受けた内容にすると、謝辞全体にまとまりが出ます。
5. 締めの挨拶と日付、名前
最後に園の先生、職員、来賓へ、感謝の気持ちを改めて伝えて締めくくります。
感動して泣ける卒園式の謝辞の例文とは?
卒園式の謝辞は、前述のとおり園でのエピソードと先生への感謝がクライマックスです。
ここでは、園でのエピソードと先生への感謝の文例をご紹介します。子供の経験や思い出と照らし合わせて参考にしてくださいね。
入園からの成長ぶりに触れる
初めてこの園の門ををくぐった日、「集団生活になじめるのだろうか」と、小さな小さな手を握りながら、子供以上に私たちが不安でいっぱいでした。
やがて、園での出来事を家で楽しそうに話してくれたり、園で覚えたダンスを踊って見せてくれたり、充実した日々を過ごしていることを実感するようになりました。
子供の笑顔から、先生や職員の皆さんがやさしく、あたたかく、そしてときに厳しく見守ってくださっているのだと感じ、安心したことを覚えています。
年長さんになった今年は、とりわけ、子供の成長を実感する日々でした。
おゆうぎ会で披露するダンスを家でもくり返し練習し、上手にできなくても投げ出さず、涙をこらえながら努力している姿を見たときは、親である私たちのほうが涙をこらえられなくなりました。
おゆうぎ会当日、年長さん全員が自信いっぱいにダンスを披露している姿を見て、この●●園だからこそ、あきらめずに頑張る強い心を育めたのだと感じました。
子供たちに寄り添い、根気強く励まし、指導してくださった先生がたに心より感謝しています。
同じイベントでの変化に触れる
最高学年になった今年度の運動会は、おそろいの衣装を身にまとったマーチングバンドの行進に目を細めたものです。
無事に演技を終えたあと、先生がたは涙を流しながら子供たちを抱きしめ、「よくやったね!」「かっこよかったよ!」とほめてくださっていましたね。コツコツと練習してきた子供たちの努力はもちろん、子供たちに根気強く寄り添ってくださった先生がたにも感謝の気持ちでいっぱいでした。
思い起こせば、年少さんのときの運動会では入場行進すらままならず、泣き出してしまったり、その場に座り込んでしまったり、いろいろなハプニングがありました。
それがたったの2年で、お友達と協力することや努力することを覚え、あんなにも誇らしげな表情でマーチングバンドの演技を見せてくれました。子供たちの成長ぶりに思わず涙があふれ、胸が熱くなったことは今でも忘れません。
卒園式の謝辞には感謝の気持ちを込めよう
卒園式の謝辞を任されると、負担に感じてしまう人も多いことでしょう。
しかし、卒園式の謝辞は堅苦しく考える必要はありませんよ。その園で子供がどのように成長したのか、その成長を支えてくれた園の先生に感謝の気持ちを伝える挨拶ととらえるといいですね。
また、謝辞を任されてしっかり準備をしても、いざマイクの前に立つと、誰でも緊張するものです。そんなときはゆっくり深呼吸をしてから話し始めるようにしましょう。
卒園式は、子供や保護者はもちろん、先生にとっても記念すべき節目の日です。ぜひ、みんなの記憶に残る謝辞を用意してくださいね。