ひな祭りの食事はいつから食べられる?離乳食用に工夫するポイントは?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等への... 監修記事一覧へ

女の子の健康と成長を祈願してお祝いするひな祭り。子どものために行事食を作ってあげたいと思う一方で、「いつからどんなものが食べられるの?」「離乳食期に食べられるものはある?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ひな祭りの行事食はいつから食べられるのか、離乳食用に工夫するポイントを含めて説明します。

ひな祭りの食事にはどんなものがある?

雛人形 ひな祭り

3月3日のひな祭り(桃の節句)は、女の子の健やかな成長を祈願する行事で、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるひな祭りを「初節句」といいます。

ひな祭りが近づくと、子供の厄を払うお守りでもあるひな人形を飾り、以下のような行事食を食べる風習があります。

  • ちらし寿司
  • はまぐりのお吸い物
  • ひなあられ
  • ひし餅
  • 白酒

ひな祭りに準備するこれらの行事食には、それぞれ成長を祈願する由来があります。下記記事も参考にしてみてくださいね。

ひな祭りの食事は離乳食期に食べられる?

ここでは、上記の行事食がそもそもいつ頃から食べられるのか、離乳食用に工夫するポイントを含めてご紹介します。

ちらし寿司

ひな祭り ちらし寿司

一般的なちらし寿司には、しいたけの煮物、錦糸玉子、酢れんこん、刻みのりなどが入っているほか、生の海鮮類などを加えることもあります。

赤ちゃんはまだ海鮮類などの生ものはまだ食べられないので、離乳食期には避けましょう。離乳食期は定番の食材に限らず、食べられる食材を使うのがおすすめです。

初期に色んな食材が食べられるようになったら、お粥のうえに野菜ペーストをのせて彩りを加えたり、お皿を和柄にしてみたりするのも良いですね。

卵、のり、れんこんは中期以降、しいたけは後期以降から食べられる食材です。ただし、れんこんは繊維が多くペースト状にしたほうが食べやすいため、ちらし寿司に使うのは難しいかもしれません。

その時期に食べられる固さのご飯の上に薄く焼いた卵を細く切ってのせ、茹でたにんじんや、加熱してほぐした鮭などで彩りを添えるだけでも立派なちらし寿司になりますよ。

はまぐりのお吸い物

ひな祭り はまぐり お吸い物

はまぐりを含む貝類は、1歳以降の完了期頃から食べられます

まだ完了期に入っていない場合は、昆布やかつおからだしを取ったお吸い物に、かわいいお麩を入れるなどしたお吸い物がおすすめ。

完了期に入っている場合は、新鮮なものを用意し、しっかり火を通して細かく刻むことが重要です。「はまぐりを食べさせるのは早いかな?」という場合は、はまぐりを取り除いてお汁だけにしましょう。

ひなあられ

ひな祭り 和菓子 レシピ ひなあられ

ひなあられは、砂糖を多く含んでいたり、粒が小さくのどにつまりやすかったりするため、幼児食になる頃からのほうが安心です。

月齢が低い場合は、ひなあられに見立てたボーロなどが市販されているので、用意してあげてもいいですね。

完了期を迎えてからも、食べるときは必ず大人が近くで見守り、粒が大きいものは食べやすい大きさに割るなどしてあげましょう。

商品によってはひなあられの中に糖衣をまとった大豆が混ざっているものもあるので、誤飲事故を防ぐためにも取り除いてください。

また、ひなあられは地域によって違いがあり、関東は砂糖で味付けして鮮やかな色がつけられたもの、関西はしょうゆや塩で味付けされたものがあります。甘みや塩気が強いので、食べすぎないように気をつけてあげましょう。

ひし餅

菱餅 ひし餅 ひな祭り

餅は粘り気があり、のどに詰まる可能性が高いため、離乳食期には与えられません

本物のひし餅の代わりに、緑・白・桃色の三色を食材そのものの色を利用して作るケーキやゼリーなど、ひし餅風の離乳食がおすすめです。

具体的には、緑はほうれん草やキウイなど、白は牛乳など、桃色はいちごなどの食材を使うとひし餅の色を表現できますよ。

ひし餅の形に似せなくても、配色が揃っていればひし餅っぽく見え、ひな祭りの雰囲気を演出できるので、ぜひ試してみてくださいね。

白酒

ひな祭り 白酒 お祝い

白酒はアルコールが入っているのでもちろん飲ませられません。赤ちゃんには米こうじで作られたノンアルコール・砂糖不使用の甘酒を選びましょう。

一般的な米こうじで作られた甘酒については、与えていい年齢に明確な基準はありません。ただし甘みがあるため、砂糖や味噌、醤油が使えるようになる生後9ヶ月頃から、甘味料のひとつとして使うのが良いでしょう。

飲む場合は、メーカーによっては「生後10ヶ月以降であれば3倍くらい、1歳以降であれば2倍位の水や白湯で薄めて飲むこと」をおすすめしています(※1)。

赤ちゃん専用の甘酒もあるので、通販サイトなどで探してみてくださいね。無理に飲ませる必要はないので、雰囲気を楽しむ気持ちで準備してみましょう。

赤ちゃんにひな祭りの料理を作るポイント!

赤ちゃん 手づかみ 離乳食

離乳食期の赤ちゃんにひな祭りの料理を作るポイントは、以下の3つです。

食べられる食材を使う

食物アレルギーの心配があるため、初めて食べる食材は必ず単品で、加熱したものを少量ずつ試すのが離乳食の基本です。

ひな祭りの料理のために初めての食材を使ったり、離乳食の時期に合わない食材を使ったりすることは避けましょう。赤ちゃんの成長にあわせて工夫してみてくださいね。

具材は食べやすい固さと大きさにする

離乳食の時期によって食べやすい食材の固さや大きさが異なります。その時期に合わせてやわらかくしたり、食べやすい大きさにカットするなどしましょう。

薄味を心がける

離乳食期は食材そのものの味やおいしさを教えてあげることが大切なので、基本的にはだし汁や野菜スープなどで味付けをします。調味料はできるだけ使わないようにしましょう。

しかし、調味料を少量使うことで素材のおいしさが引き出されることもあるため、離乳食を食べたがらないときなどに調味料を少し加えるなど状況に応じて使うといいですよ。

赤ちゃんの成長に合わせた食事でひな祭りを祝おう!

ひな祭りの料理を作る上で気をつけることは、普段の離乳食を作るときと変わりありません。頑張りすぎず、健康に育ってほしいと願う気持ちを込めて、お祝いの料理を楽しく作ってあげたいですね。

※参考文献を表示する

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