女の子が生まれて初めて迎える3月3日のひな祭りを、女の子の「初節句」といいます。ひな祭りには馴染みがあるけれど、初節句をどうやってお祝いしたらいいのか迷っているママも多いのではないでしょうか。今回は、女の子の初節句について、お祝いの方法や料理についてご紹介します。
女の子の初節句とは?どんな日?
「節句」とは、季節の節目に邪気をはらう行事をいいます。昔は多くの節句がありましたが、現在は、5つの節句が年中行事として残っていて、それぞれ伝統的な方法でお祝いをします。
赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句を「初節句」といい、女の子は3月3日の「桃の節句」の日に健やかな成長を祝います。かつては祖父母や親戚が集まり、盛大にお祝いをしましたが、最近では身内のみでお祝いをする家庭が多いようです。
生後すぐに初節句を迎えるときは?
2月生まれの女の子は、生後間もない時期に初節句を迎えることになります。その場合は、翌年に初節句のお祝いをすることもあります。特に決まりはないので、赤ちゃんの成長を見ながらお祝いの時期を決めましょう(※1)。
女の子の初節句のお祝いの方法は?
女の子の初節句であるひな祭りには、雛人形を飾り、両親や祖父母と一緒に、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物などの祝い膳を囲んで祝います。
雛人形を飾ったら、ぜひ桃の花も添えましょう。中国では桃の木は魔除けの霊木として崇拝されていて、古くから邪気を払う力があると信じられてきました。また、ピンク色の鮮やかな花は、女の子のお祭りをいっそう華やいだものにしてくれますよ。
女の子の初節句の料理はどうする?
ひな祭りは女の子のための節句なので、数ある節句のなかでもとても可憐。お祝いのテーブルを彩るメニューの代表格が、ちらし寿司と潮汁です。この2品には、子供への願いが込められているって知っていますか?
女の子の幸せを願うちらし寿司
ひな祭りにちらし寿司を食べるようになった由来には諸説ありますが、具をたくさん混ぜるのは「これから先、食べるものに困らないように」という願いが込められているそうです。また、その具材にも、子供の健康や幸せを願う思いが詰まっています。
●海老:赤い色は、生き生きとした生命力の象徴。また、背が曲がっていることから長寿(健康)を連想させます
●れんこん:穴が開いているので、見通しがよい。そこから転じて、将来の安定
●豆:まめまめしく、誠実にという願いを込めて
●菜の花:芽を出すことから、健やかな成長
●卵:産まれるものから転じて、生命
夫婦和合の象徴の潮汁
潮汁には、蛤を使います。これは、二枚貝は必ず一対で、ほかの貝とは決して合わないことから、「よき伴侶を見つけ、仲良く添いとげられますように」という願いが込められています。開いたひとつの貝に、ふたつの身を入れて盛り付けることもあります。
女の子の初節句に欠かせないお供えものは?
ひな祭りに欠かせないものとして、白酒やひし餅、ひなあられもあります。これらは、雛人形にお供えしたあとは食べても構いません。
ひし餅は赤・白・緑色の順に、ひし形の餅を重ねたもの。じつは、この色と順番にも意味が隠されています。
●赤:厄払い・桃の花・解毒作用(色付けに使っているクチナシの効果)
●白:純白・残雪・清浄(使われている菱の身の効果)
●緑:草木の芽吹き・健康(使われているヨモギの効果)
この順番は、「雪の下には緑が芽吹き、溶けた雪の上には花が咲いている」ことをあらわしています。これから子供が歩む人生への、親からの愛情あるメッセージなのかもしれませんね。
お酒は体を清めることから、お祭りには欠かせないものとされてきました。とろみのある、甘い白酒が供えられるようになったのは、江戸時代からのようです。そして、ひなあられは、ひし餅から転じたものとされています。
女の子の初節句は、家族みんなでお祝いを
毎年お祝いするひな祭りですが、初節句は一度きりの大切なお祝い。初めて飾る雛人形や祝い膳は、ぜひ赤ちゃんと一緒に写真におさめて記念に残しておきましょう。
桃の節句が古くから受け継がれてきたのは、子供の幸せな人生を願う親の気持ちはどの時代も同じだからなのかもしれませんね。しきたりと感謝の気持ちを大切にして、家族みんなで楽しく初節句の日を過ごしましょう。