常識がガラガラ崩れる!?防災◯✕クイズ \家族を守るために絶対読んで/

もしも大きな地震が起きた時、自分と家族を守る準備はできていますか?

防災対策はしているけれど、いざというときに正しい判断と行動ができるか不安…という方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、危機管理コンサルタントとして活動されている浅野竜一さんにインタビューを行い、お話を元に「防災◯✕クイズ」を作成しました。防災に関する正しい知識を一緒に学んでいきましょう!

危機管理コンサルタント浅野 竜一

浅野 竜一

警察官を退官後、米国にてリスクマネジメントを学ぶ。株式会社ナイキジャパンにてオリンピックなどの危機管理及び警備責任者を務める。2007年に株式会社ZOASを設立し、企業や官公庁への危機管理コンサルティング、自衛隊への演習などを行う。2012年、project72を設立。被災訓練プログラム「CAMP」を設計し、震災時の自助能力普及活動を行っている。

あなたは何問わかる?防災◯✕クイズ!

◯✕ マルバツ クイズ

第1問
大災害が起きたときは、まず避難が大切だ

被災時にご自宅にいて、「自宅が耐震性が強い建物である」「食料や水の備蓄がある」なら、すぐに避難する必要はありません。

いきなり外に出ると、電柱や塀が倒れてきたり、看板が落ちてきたりなどの被害が考えられます。停電が起きていると信号が機能しない可能性があり、人々は急いで家に帰ろうとするため交通事故が起きやすくなります。

― もし外出していた場合はどうでしょう?

ショッピングモールなどの耐震性が強い大きな建物にいた場合は、すぐに避難する必要はありません。しかし特に地下道などの強度がわからない場所にいた場合は、なるべく早く出た方がいいですね。

ということで、正解は「✕」です。

第2問
大災害が起きたときは、家族にいつでも連絡を取れるようにしておくべきだ

災害時に家族と連絡が取れることは、絶対的な安心材料です。

しかし災害時には携帯キャリア会社が回線をわざと狭くするため、電話が繋がりにくくなります。その間にむやみに連絡を取ろうと電話をかけ続けると、どんどん携帯電話のバッテリーが減っていきます。

発災前に家族での相談が重要です。「発災から1時間後・3時間後・5時間後に5分だけ電源を入れよう」など家族と約束しておきましょう。発災直後は伝言ダイヤルに無事を伝えるメッセージを入れると尚いいでしょう。

お互いの伝言が確認できたら、その後は携帯の電源を切ってバッテリーを温存してください。

― ニュースやSNSで情報収集したほうがよいと思っていたのですが……

たしかに情報収集は大切ですが、本当に必要な情報だけを入手すべきです。それは、自分の命に関わる情報です。

例えば首都直下型の地震の時に、沿岸部や島にお住まいの方以外は津波の情報は必要ありません。原発の情報もいりません。マグニチュードや震度がいくつと知っても仕方ありませんよね。

災害時は正常な取捨選択ができないので、無闇に情報を入れることでかえってパニックになってしまう恐れがあります。
スマホの情報を見る前に、まず倒れそうな電柱や落ちてきそうな看板、道路の亀裂などの目に見える範囲のもの=直接的に命に関わる情報を最優先に取ることを心がけましょう。

のちに家族と再会できるかどうかは、災害時のとっさの行動にかかっていますよ。

ということで、正解は「△」です。

第3問
防災バッグの中は水や食料など生きるために必要なものを3日分入れておく必要がある

まず「防災バッグ」の目的とは何かを考える必要があります。

「自宅避難のために家の中に保管しておくべきもの」なのか、「災害時に持って移動するためのもの」なのか。前者は「備蓄品」、後者は「非常用持ち出し袋」です。

防災バッグを備蓄品として位置付けているのなら正解は〇ですが、「バッグ」である以上、持ち運ぶことを想定していると思われるので、中に入れるものは「災害時に持って移動するためのもの」です。

ということで、正解は「✕」です。

― 非常用持ち出し袋には何を入れておけばいいのでしょうか?

最低限必要なものは以下の通りです。

エマージェンシーブランケット:遭難・避難時には、体力の温存と体温の保持が一番重要になるため、雨風をしのいで体を守る必要があります。

:助けを呼ぶため

懐中電灯:停電を想定して

マスク・眼鏡:目や呼吸器系を保護するため(都市型の災害では大量の粉じんや埃などが舞ってくる)

抱っこ紐:赤ちゃんがいるご家庭であれば必需品。おんぶの方が大人が動きやすいので、おんぶできるタイプの方が◎

これらは、できれば外出時に常に持っていて欲しいと思います。

食材が入っていないのが意外かもしれませんが、避難していれば手に入るケースが多いので絶対に必要なわけではありません。

もし入れるなら、カロリーメイトのような、コンパクトで高カロリーなものがいいでしょう。お菓子でも構いません。

防災対策で事前にすべき5つのこと

防災
〇×クイズ、皆さんは何問正解できましたか?

浅野さんによると、「被災時にどんな行動をとるか」よりも、「事前に調べたり相談しておく」ことの方が大切とのこと。被災した時のために今からしておくべきことを伺いました。

1.自宅の構造や強度を確認しておく

災害が起きた直後、自宅にいるべきなのか、直ちに逃げなければいけないのかを把握しておく必要があります。そのため、最初に知っておくべきことは、自宅の強度や耐震性です。

その際に目安となるのが、建築基準法です。現行の耐震基準に改正されたのが1981年なので、それ以前の建物は倒壊の危険性が高くなります。

強度や耐震性がわからない場合は、大家さんや不動産屋さんに聞くなどしてきちんと調べてください。

2.自宅周辺やよく行くエリアの被害を想定する

自宅の耐震性は大丈夫でも、周りの建物が倒壊や火災焼失の恐れがあれば避難しなければなりません。

国土交通省が出しているハザードマップや、首都直下型地震の際の被害予想などで、自宅周辺や職場・保育園などのよく行くエリアの危険度をチェックしておきましょう。

3.避難の際はどこに集まるか確認しておく

家族が離ればなれのときに災害が起きることは大いにありえます。避難する際は、自宅周辺のどこに集まるかを決めておきましょう。

しかし、被災時は無理に移動することが危険な場合もあります。例えば東京では、震度6弱以上になると交通規制が行われ、車で環状七号線の内側に入ることができなくなります

「家族が集まることができない状況もある」ということを理解しておきましょう。

4.被災時の対応を保育園と相談しておく

赤ちゃんを保育園に預けている場合、園の安全性を知っておくことも大切ですが、「いつまで預かってもらえるのか」を把握しておくことも大切です。

災害時は園の職員も被災者です。赤ちゃんを預かっておくのにも限界があります。災害発生時にどれくらいなら預かってもらえるのか、保育園と相談しておくとよいでしょう。

5.移動できる限界を把握しておく

被災時に避難などで移動しなければいけない場合、どれだけ移動できるのかを事前に想定しておきましょう。

赤ちゃんがいる場合、お世話グッズを持って移動しなければならないため、現実的に移動距離はかなり制限されると思います。

避難するために体力を使い果たしてはいけません。いざというときに移動できる限界を把握したうえで、避難所に行かず自宅避難を選ぶという選択肢もあります。

今だからこそ知っておきたい!自宅避難の3つのポイント

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ここまで読んできて「うちはいざというとき自宅避難を選ぶべきだ」と考える方も多いのではないでしょうか。

そこで次に、自宅避難の際のポイントを伺いました。

1.食料・水の用意は「1週間分」が基本

備蓄品としての食料や水は、1週間分用意しておきましょう。赤ちゃんのオムツやミルクなども必ず備蓄しておいてくださいね。

ただし、1週間分で十分かは災害が起きてみないとわかりません。いざ災害が起きたときは「何日分の用意だから、何日しか生きられない」ではなく、「何日生き延びるために、今ある食料を調節しよう」という考え方をしましょう。

2.好きなものを置いておく

備蓄品はできるだけ好きなものを用意しておきましょう。必ずしも防災グッズとして売られているものでなくて構いません。

たとえば食料は、普段食べることのない乾パンをストックしておく必要はありません。火を使わなくても食べられる、ある程度長期保存が効く食べ物であれば、ご自身の好きなものを用意してください。

被災時に電気を使えなくなる可能性はかなり高いので、ご自身が読んで勇気が出るような本もおすすめです。

3.無理は禁物!休むべきときは休もう

被災時はストレスが溜まるものです。それを家族と事前に共有しておきましょう。いざというときは、助け合ったり、休んだりしましょう。

もしママが「赤ちゃんの泣き声を聞きたくない」という状態になっていたら、「それ以上無理をしてはいけない」というサインです。赤ちゃんと離して休ませてあげましょう。

大人もストレスをためすぎて、限界を超えてはいけません。何よりも、その場を乗り越え、生き続けることが大切ですよ。

防災対策は、ムダにはならない!

災害はいつ来るかわからず、危機感が薄れがち。防災のために準備した物も、災害が来なければムダになるかもしれません。

しかし、「家族を守るために考えたことや知識自体はムダにならない」と浅野さんは言います。赤ちゃんが大きくなって自立するとき、親になるときなどに、「こんな備えが必要なんだよ」と伝承することもママやパパの役目。

3月11日をきっかけに、いざというときの対策についてぜひ家族で話し合ってみてください。

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