小学生になると、学校生活以外にも習い事や塾にかかる費用が増えていきます。
それらをまとめた「学校外学習費」の調査をもとに、小学校から高校までに学校外学習費がいくらくらいかかっているのかをご紹介します。
「学校外学習費」には習い事や塾の費用が含まれる
学校外学習費とは、「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の合計をいいます。
補助学習費
補助学習費は、予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費で、以下のものが含まれます。
● 家庭内学習費(物品費や図書費など)
● 家庭教師費
● 学習塾費
● その他(交通費や模擬テスト代など)
その他の学校外活動費
学校外活動費には、習い事や学習活動、スポーツ、文化活動などの経費で、以下のものが含まれます。
● 芸術文化活動(音楽系の習い事など)
● スポーツ活動(運動系の習い事など)
● 教養・その他(習字などの習い事、本代など)
● 体験活動・地域活動(ボランティア活動費など)
次からは、文部科学省の『平成30年度 子供の学習費調査』をもとに、小学校から高校まで順に学校外学習費について見ていきましょう(※1)。
小学校の年間学校外学習費は?
ではまず、小学校の学校外学習費を、私立と公立に分けてみていきましょう。私立小学校の学校外学習費は公立小学校の約3倍と、かなりの差があります。
全ての項目において私立小学校の方が公立小学校より費用負担が多くなっています。
公立小学校
公立小学校の年間の学校外学習費は214,451円。一ヶ月あたり平均で17,870円となっています。
学校外学習費の内訳
公立小学校では、スポーツ活動と学習塾費の費用がほぼ同額でもっとも多く、音楽系の習い事の費用と習字などの習い事の費用などが続きます。
学年別の学校外学習費
もっとも安い2年生と高い6年生ではトータルで約6万円の差があります。補助学習費(塾や家庭教師費)は、6年生は1年生の倍以上の費用がかかっています。
私立小学校
私立小学校の年間の学校外学習費は646,889円。一ヶ月あたり平均で53,907円となっています。
学校外学習費の内訳
私立小学校の年間学校外学習費は極めて高く、高校までの学校外学習費用を含めてもほとんどの項目が一番です。
学年別の学校外学習費
私立小学校でも、高学年になるにつれて年間学校外学習費が増えています。6年生は2年生の約1.6倍の費用がかかっています。
中学校の年間学校外学習費は?
中学校になると、年間学校外学習費は公立と私立でほとんど差がなくなります。
補助学習費の割合はほぼ変わらず、習い事などの金額に多少差がある程度になっています。
公立中学校
公立中学校の年間の学校外学習費は306,491円。一ヶ月あたり平均で25,541円となっています。
学校外学習費の内訳
公立中学校では部活動がはじまるため、習い事の費用が小学校のときよりも減ります。代わりに、学習塾費などの勉強に関する費用が上がってきています。
学年別の学校外学習費
公立中学校では、中学1年生と3年生で約2倍違います。高校受験があるため3年生で一気に増え、私立中学校の3年生の負担額より高くなっています。
私立中学校
私立中学校の年間の学校外学習費は331,264円。一ヶ月あたり平均で27,605円となっています。
学校外学習費の内訳
私立中学校は、私立小学校よりほとんどの費用が少なくなってはいるものの、公立中学校よりは高い水準です。
学年別の学校外学習費
私立中学校でも、年間数万円ずつ負担が増えていきます。習い事や図書費などを含む「その他の学校外活動費」は、3年生でも増えているのが特徴です。
高校の年間学校外学習費は?
高校になると私立が公立より約1.4倍負担が大きくなります。ただ、どちらも中学校に比べて総費用は少なくなってきています。
公立高校
公立高校の年間の学校外学習費は176,893円。一ヶ月あたり平均で14,741円となっています。
学校外学習費の内訳
公立高校では、習い事や学習塾に関する費用が中学校よりも減ります。公立では、高校が一番学校外学習費の負担が少なくなっています。
学年別の学校外学習費
公立高校では、大学受験のために高校3年生で一気に補助学習費が増え、1年生のときの約2倍になっています。
私立高校
私立高校の年間の学校外学習費は250,860円。一ヶ月あたり平均で20,905円となっています。
学校外学習費の内訳
私立高校では、補助学習費や習い事に関する費用が減り、総負担額が減っています。私立でも小高校が一番学校外学習費の負担が少なくなります。
学年別の学校外学習費
私立高校でも、大学受験のために高校3年生で補助学習費が増え、1年生のときの約2倍となっています。
学校外学習費の大体の負担額を知っておこう
小学校から高校にかけて、塾や習い事におおよそどのくらいの費用がかかるかを知っていただけたでしょうか?
今回ご紹介したのはあくまで平均なので、実際の費用は個人によって様々です。平均費用を知った上で「うちはどこにどのくらいの費用がかかるのか/かけるべきか」をイメージしてみてくださいね。