妊娠に必要な女性ホルモンの分泌量を増やす方法として、最近注目を浴びている「エストロゲンサプリ」。いったいどんな効果があるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか?今回は、そんな話題のエストロゲンサプリについて、成分や効果、副作用があるかどうかをご紹介します。
エストロゲンとは?
女性ホルモンには、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という2つの種類があり、周期的に増減を繰り返しながら分泌されています。
なかでもエストロゲンは、生理前から排卵前までに多く分泌され、卵巣内の卵胞を成長させて排卵を促したり、子宮内膜を厚くしたりする働きがあります。つまり、女性が妊娠・出産するためになくてはならないホルモンといえます。
また、女性らしい丸みを帯びた体をつくり、肌に潤いとハリを生み出すなど、女性の健康と美をサポートしてくれるという側面もあります。
エストロゲンは、加齢とともに分泌量が変わります。思春期になると分泌量が増え、45歳頃まではそれが維持されますが、それを過ぎると徐々に減り始め、その影響でほてりや発汗、抑うつ感、イライラ、不眠などの症状が現れることがあります(※1)。
エストロゲンはサプリで補える?
月経異常やほてり、抑うつ感、イライラなどの症状を和らげるためにサプリが使われることがあります。こうしたサプリのことをエストロゲンサプリと呼ぶことがあるようです。
エストロゲンサプリには、エストロゲンそのものが入っているわけではありません。
エストロゲンサプリには、エストロゲンと似た働きをしたり、ホルモンバランスを整えたりする効果が期待される成分が含まれており、減ってしまったエストロゲンを補うことを目的としています。
エストロゲンサプリの成分は?
ここでは、エストロゲンサプリに含まれている成分の例をご紹介します。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは植物エストロゲンの一つです。化学的な構造がエストロゲンに似ているため、エストロゲンと似た働きをすると考えられています。骨粗鬆症の予防にも効果的だとされています(※2)。
マカのエキス
マカは、南米が原産の植物です。植物エストロゲンを含んでいるとされており、エストロゲンと似た働きを期待されてエストロゲンサプリに使われていることがあります。
また、必須アミノ酸やミネラル、ビタミンを豊富に含んでいることから、女性ホルモンのバランスを整えてくれる効果も期待できます。
ザクロの種子エキス
ザクロの種子には、エストロゲンに似た働きをする成分が含まれるとされています。また、ミネラル・ビタミン・ポリフェノールなども豊富で、女性の体の悩みに対して良い影響が期待されます。
プラセンタ
プラセンタとは、へその緒を通じて母体と胎児をつなぐ「胎盤」のことです。サプリの成分として「プラセンタ」と呼ぶ場合、胎盤から抽出された様々なエキスのことを指します。
プラセンタにはホルモンバランスを整える効果があるとされているため、エストロゲンサプリに使われることがあります。
エストロゲンサプリの飲み過ぎは体に悪い?
エストロゲンサプリによってエストロゲンに似た働きをする成分を摂取しすぎてしまうと、ホルモンバランスが崩れ、月経異常などが起きる可能性があります。
また、大豆イソフラボンの過剰摂取によって、子宮内膜増殖症にかかるリスクが高まるという研究報告もあります。これを踏まえ、食品安全員会および厚生労働省では、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値を1日あたり70~75mgと設定しています(※2)。
エストロゲンサプリを摂取する際には、使用量を守り、過剰摂取にはくれぐれも注意しましょう。
エストロゲンサプリは適量を摂取しよう!
エストロゲンは、女性らしい体つきを作ったり、妊娠・出産するための機能を整えたりと、女性にとってうれしい働きをしてくれるホルモンです。エストロゲンの分泌を増やすためには、食べ物だけでなくサプリメントも有効な方法の一つです。
ただし、摂取量が多すぎるとホルモンバランスの乱れや婦人科系の病気の原因になりうるので、注意が必要です。過剰摂取にならないよう、適切な服用量を守るようにしてくださいね。