母子家庭の生活費の平均は?シングルマザーの支援制度を活用しよう

シングルマザーとなったときに、一番気になるのは日々の生活費ではないでしょうか。昨今、母子家庭は過去25年間(平成23年度時点)で1.5倍に増え、約123.8万世帯あります。就業率は80%と高いですが、平均年間就労収入は約181万円というデータから考えると、決して楽な生活とはいえません(※1)。そこで今回は、母子家庭の生活費の平均をはじめ、生活をサポートする節約法や、自治体が行っている母子家庭向けの割引制度についてご紹介します。

母子家庭の生活費の平均は?

お金 計算 電卓

母子家庭の生活費(消費支出)を占めているのは、主に食料、住居、光熱・水道、被服・履物ですが、これは標準世帯を上回るほど。特に持ち家率が標準世帯に比べて低く、住居にかける割合が大きくなっています。

総務省統計局が平成27年にまとめた資料によると、平成16年の母子世帯(母親と18歳未満の未婚の子供の世帯)の1ヶ月の実収入は217,676円で、平均消費支出は191,309円(※2)。

実収入には、医療費などの社会保障給付や財産収入が含まれているため、実際の収入はさらに低いということ。父子家庭に比べて非正規雇用の割合も高く、不安定でもあります。

そのため、家庭ごとに工夫して節約をしたり、日常生活にも活用できる自治体の制度を使ったりして、やりくりしているのが現状です。

母子家庭の生活費を抑えるための節約法は?

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母子家庭の生活で節約している人の多くは、基本的な生活習慣を見直していることが多いようです。

特に、光熱費は工夫次第ですぐに金額に表れるため、こまめな管理を徹底。また貯蓄や買い物の仕方を工夫して、無駄遣いを防いだり、効率よく貯めたりすることもしています。

主に以下のような節約方法が実践されています。

日常生活の中でできる節約

・でかけるときや使わないときはコンセントを抜く
・普段はカードを利用せず、どうしても必要な場合は1回払いで済ませる(利息がつかないように)
・クレジットカードは1ヶ所に決めてポイントを貯める
・日用品や家電は、フリーマケット、リサイクルショップ、ネットオークションを活用する
・年金や保険料はまとめて払う
・目標額を決めて貯蓄する
・定期預金をする
・給料が入ったら項目ごとにお金を振り分けておく
・習いごとは各自治体主催のスポーツ教室や学習支援を利用する

生活費をサポート!シングルマザーの支援制度とは?

はてな クエスチョン 疑問

母子家庭は、国や自治体から様々なサポートが受けられます。母子家庭の生活を助ける制度には、母子世帯の実収入に含まれるような医療費助成や児童扶養手当といった「貰えるお金」が存在しますが、減免・減額・支援を目的とした制度もあります。

ここでは、日常生活のサポートとなる割引制度から、生活の基盤となる住宅に関すること、母親の就労を支援する制度を中心にご紹介します。

普段の生活に活用できる制度

粗大ごみ等処理手数料の減免制度

児童扶養手当を受給している家庭を対象に、粗大ごみ等の処理にかかる手数料を減額、または免除する制度です。行っていない地域もあるので確認しましょう。

上下水道料金の減免制度

水道局が窓口で、水道局により免除内容や条件が異なります。東京都水道局の場合は、生活・教育・住宅・医療・介護扶助を受給、または児童扶養手当、特別児童扶養手当を受給している家庭が対象です(※3)。

電車やバスの割引制度

電車や公共のバスなどの定期券・乗車券が割引になる制度です。電車は主にJRが実施。バスは地域や会社によって異なるため、各窓口で確認してみましょう。

保育料の免除や減額(※4)

年収360万円未満相当のひとり親世帯の場合、保育料が第一子から半額、第二子以降が無料になります。生活保護世帯や、ひとり親世帯等で市町村民税非課税世帯の場合は第一子から無料です。

生活状況に合わせて活用できる制度(※5)

母子家庭の住宅優遇制度

公営アパートの抽選が優先される制度です。各自治体が運営している制度で、一般公募に比べて抽選確率を優遇してもらえるもの。

地域の児童福祉課、または住宅供給公社募集課で詳しい内容を聞くことができます。

母子・寡婦福祉資金貸付金制度

生活資金として、主に、生活・住宅・結婚・就学支援・転宅・医療介護・就職支度・終業・事業継続・事業開始・修学・技能習得の12種に対して貸付ができる制度です。

無利子・低金利で返済期間は3~20年。子供の修学、就学支度資金のニーズがあります。

自立支援教育訓練給付金

雇用保険の教育訓練給付の受給資格がない、母子家庭の母親を対象として制度です。就業に繋がる講座を受講し、修了した場合に経費の20%が支給されます。

福祉事務所が窓口になりますが、実施していない地域もあるため、事前に確認が必要です。

高等技能訓練促進費

就職に役立つ資格をとりたくても、なかなか学ぶ時間が割けない母子家庭の母親を対象に、資格取得の修業期間に月額10万が援助される国の制度。

主に、看護師・介護福祉士・保育士など、各都道府県が実情に応じて定めた資格が対象です。

国民年金の免除申請

経済的な理由で国民年金が支払えなくなったときに、受給の資格損失をしないよう免除申請ができる制度です。法的免除と申請免除の2種類があり、申請して認められたら資格継続となります。

免除には一部納付と全額がありますが、納付額に応じて決められた分が支給されるため、全額納付に比べて少なくなります。

母子家庭の生活費で見直すと得するものとは?

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母子家庭になったときに見直しておくと良いのが、保険です。母子家庭で、保険まで手がまわらないということも多いかもしれませんが、母親がひとりで生活を支えつつ、家族を守る立場でもあります。無理のない範囲で、万が一のときや将来のために備えることも大切です。

コツとしては、医療・死亡保険を、必要最低限の保障をしてくれるものにすること。掛け捨てタイプのものだと安価なものが多く、選びやすいですよ。また、子供のための学資保険は貯蓄と考え、計画的に積み立てていくと良いでしょう。

どの保険にしても、生活のベースを整えたうえで、家計に無理のない範囲で続けられるものに見直しておきましょう。

母子家庭の生活費を抑えるために制度を上手く活用しよう

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母子家庭の生活費は、節約することだけでは補えないことも出てきます。子供の教育費に関しては、特にお金をかけてあげたいと思うことが多く、そのために節約しているケースも少なくありません。

国や自治体の制度では、「実は知らない」「後から知った」という支援や割引制度があります。自治体独自で行っているサービスも、地域によっては存在します。

まずは住んでいる地域でどんな制度があるのかチェックし、節約とともに上手に活用していきましょう。

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