赤ちゃんが生まれて母乳育児を始めてから、「桶谷式」という言葉を知ったママも多いかもしれません。桶谷式とは、母乳の出をよくする乳房マッサージ方法です。産院で桶谷式のマッサージや食事指導を受けたママもいるかもしれませんね。今回は、桶谷式とは何か、マッサージ方法やその効果、桶谷式の母乳のあげ方についてご紹介します。
桶谷式とは?どんなマッサージ法なの?

「桶谷式」とは、助産師の故・桶谷そとみ先生によって考案された乳房マッサージのことを指します。正式には「桶谷式手技(乳房マッサージ)」といい、ママたちの間では「桶谷式母乳マッサージ」とも呼ばれています。
桶谷式の乳房マッサージでは、母乳を作る乳腺と大胸筋の間の組織(=基底部)を伸ばしてほぐします。基底部の伸展性をよくすることで、乳房が柔らかくなり、母乳がスムーズに出るようになります。痛くないおっぱいマッサージという特長もあります。
桶谷式母乳マッサージはどこで受けられる?桶谷式母乳育児相談室って?

桶谷式母乳マッサージは、「桶谷式母乳育児相談室」で受けることができます。
桶谷式母乳育児相談室は、一般社団法人桶谷式母乳育児推進協会で研修を受けて認められた助産師さんによって開かれていて、全国約300ヶ所にあります。相談室を持たず、自宅まで訪問してくれる助産師さんもいます。
一般社団法人桶谷式母乳育児推進協会のオフィシャルサイトから全国の母乳相談室を検索できるので、自宅の近くにあるかどうか調べてみてくださいね。
また、桶谷式の認定を受けた助産師さんのいる産科や助産院でも桶谷式マッサージを受けることができます。
母乳育児相談室ではどんなことをするの?
桶谷式母乳相談室では、乳房マッサージだけでなく、授乳や搾乳のポイント、食事のアドバイス、育児相談など、ママや赤ちゃんの状態を確認しながら、きめ細かい指導が実施されます。
乳房マッサージは、ママがベッドに横になった状態で行います。赤ちゃんも一緒に連れていけるので、母乳の飲み方や発育状態もみてもらうことができますよ。
桶谷式母乳育児相談室の料金や時間は?
桶谷式母乳育児相談室は、基本的に予約制で、所要時間は1~2時間程度です。料金は場所によって異なりますが、初診料5,000円~、再診料3,000円~、往診料7,000円~が目安です。
桶谷式母乳マッサージの効果は?

「母乳が出ない」「乳腺炎で痛い」といった悩みや「母乳の質をよくしたい」という目的があって、桶谷式母乳育児相談室に足を運ぶママはたくさんいます。乳房マッサージを受けたり授乳や食事のアドバイスをもらったりすることで、下記のような悩みが解消されるといわれています(※1)。
● 母乳の出が悪い
● おっぱいが痛い
● 赤ちゃんが上手に吸えない
● しこりができた(乳腺炎)
● おっぱいがバンバンに張る
● 断乳(卒乳)したい
乳房マッサージを受けた後の効果は人それぞれですが、乳房が柔らかくなり母乳が出やすくなることで、乳腺炎が改善されたり、赤ちゃんの飲む量が増えたりするようです。
桶谷式の口コミ・評判は?

桶谷式乳房マッサージの特徴は、「痛くない」ことです。母乳の出をよくするために行われる乳房マッサージのなかには痛く感じるものもありますが、桶谷式のマッサージでは「気持ちいい」と感じる人も多くいます。
桶谷式母乳マッサージを受けた人の口コミ
一般社団法人桶谷式母乳育児推進協会のオフィシャルサイトでは、桶谷式母乳育児相談室を利用したママの体験談が紹介されています(※2)。下記に、その一部をご紹介します。
桶谷式の先生の手技はまったく痛くなく、逆に気持ちいいくらいでした。美味しい母乳を作るための食事、授乳・搾乳の仕方、夜間の授乳の大切さ、育児についても相談することができました。
定期的に桶谷式の手技を受けることにより、胸の状態が常によいということを体感しました。苦痛だった授乳も子供と密着した楽しい時間になっていきました。
先生の魔法の手によって冷えた細い噴水のような母乳が出るたびに体が軽くなり、終わるころには肩こりも解消され、美味しい母乳に変わっていました。乳腺炎にならずに断乳まで過ごすことができました。
乳腺炎の症状を緩和するためにマッサージを受けたのをきっかけに、卒乳・断乳するまで教室に通ったというママもたくさんいます。卒乳・断乳の方法や、その後のおっぱいのケアについて指導してくれることも、桶谷式の人気の理由です。
桶谷式の母乳のあげ方は?

前述のように、桶谷式母乳育児相談室では乳房マッサージだけでなく、母乳の与え方や搾乳についてのアドバイスも行われます。母乳の与え方については、主に次のような指導がされています。
3時間以内に授乳する
母乳は、赤ちゃんがおっぱいを吸うときの乳首の刺激によって分泌量が増加します(※3)。頻繁に母乳を与えるほど母乳の出がよくなるので、授乳回数が少ないと母乳分泌が低下してしまうことがあります。
桶谷式では、乳腺炎を予防したり質のよい母乳を与えたりするために、「3時間以内の授乳が望ましい」としています。これは昼間だけではなく夜間も同様です。
左右交互に授乳する
授乳するときは、母乳の出が悪い・飲ませにくい方のおっぱいから飲ませるようにしましょう。飲ませやすい方のおっぱいから飲ませると、もう片方を飲まなくなり、そちらの母乳の出が悪くなってしまいます(※4)。
ただし、数回に一度は調子がよいおっぱいからも飲ませるようにして、左右の母乳分泌量が同じになるようにしましょう。
桶谷式は母乳育児の強い味方
「母乳で育てたい」と思っていても、母乳があまり出なかったり、赤ちゃんがうまく吸ってくれなかったりと、様々な悩みが出てくるものです。そんなときは、ぜひ近くの桶谷式母乳育児相談室に行って相談してみてください。
桶谷式母乳育児相談室は全国にあり、豊富な知識を持った母乳の専門家がいます。マッサージを受けたり、授乳や搾乳について指導してもらったりすることで、今までの悩みや不安が解消するはずですよ。
質のよい美味しい母乳を飲ませてあげることで、赤ちゃんが元気にすくすく育ってくれるといいですね。