「保育園に落ちた…待機児童になってしまった」という話をよく耳にします。育児休業後に職場復帰しようと考えているママにとって、深刻な問題ですよね。もし保育園に落ちてしまったら、どうすればいいのでしょうか?今回は、なぜ保育園に入れないのか、保育園に落ちたときはどうしたらいいのかをご説明します。
そもそも保育園に入るための条件とは?
保育園には大きく分けて、認可保育園と無認可保育園があります。
認可保育園に入園するためには、市区町村が定めた「保育を必要とする理由」を満たす必要があります。「保護者が就労している」「保護者が介護している」といった理由がないと、認可保育園を利用することができません。
さらに、保護者が週に何時間就労しているか、どれくらい介護をしているか、といった細かい項目があり、項目ごとに「基準指数」が設けられています。
ひとり親世帯や生活保護を受けている世帯などは「調整指数」として「基準指数」に加算されるほか、兄弟姉妹が既に保育園を利用している場合や兄弟姉妹が同時に入園を申し込む場合も加算対象になります。
一方で、65歳未満の祖父母と同居している、兄弟姉妹を保育園に預けているが保育料を滞納している、子供を同伴できる職場環境である、といった場合は減算対象となり、基準指数から点数が引かれてしまいます。
認可保育園の申し込みや選考は、ほぼ月に1回、市区町村の役所の担当課で行われていますが、募集人数よりも応募人数が上回ったときは、基準指数の合計数が高い順に入園が決まります。そのため、基準指数の合計数の順位が低いと保育園に入れず、待機児童となってしまうのです。
無認可(認可外)保育園は、基本的に点数制ではなく、申し込み順に入園が決まります。また、保護者の就労状況に関係なく、申し込みを受け付けているところがほとんどです。
保育園に落ちたってどういうこと?不承諾通知とは?
一般的に「保育園に落ちた」というのは、申し込んだ認可保育園から「不承諾通知」という手紙を受け取ることを意味します。
前述のように、無認可(認可外)保育園は申し込み順に入園内定が決まることが多いため、選考によって落とされるということはほとんどありません。
多くの保護者は、無認可(認可外)保育園に比べて園庭や施設が広く保育料が安い認可保育園に入園させたいと願うため、「無認可保育園は内定をもらったけど、認可保育園からは不承諾通知を受け取った」といった状況でも、「保育園に落ちた」と表現します。
どうして保育園に入れないの?
それでは、なぜ保育園に落ちてしまうのでしょうか?
その大きな理由は、認可保育園の申込者数に対して、保育園の数が足りていないからです。
国の政策として、待機児童を解消するために認可保育園を増やすことが掲げられていますが、認可保育園を作るためには、国の基準を満たす敷地の広さや保育士の人数が必要になり、そう簡単に作れるものではありません。
特に都市部では、共働き世帯がどんどん増えているため、新しい認可保育園が建設されても、待機児童数が一向に減らない問題が起きています。
保育園に落ちたらどうしたらいいの?
前述の通り、認可保育園の応募人数が多い場合、基準指数の合計点が低い世帯は入園選考に落ちて不承諾通知書が送られてくる確率が高くなります。
しかし、認可保育園に落ちたからといって、絶対に保育園に入れないというわけではありません。
一次選考で落ちても、二次選考で内定することもあります。申し込み時に提出した書類は6ヶ月間有効で、翌月以降で保育園に空きが出れば選考の対象となるため、数ヶ月後に入園できるケースも少なくありません。
ただし、最初の申し込みから6ヶ月を過ぎた場合は、改めて申し込みが必要になるので忘れないようにしましょう。
また、無認可(認可外)保育園や保育ママ、一時保育などを利用しながら、認可保育園に空きが出るのを待つのも一つの方法です。認可外保育施設の定期的な利用は認可保育園の加算対象となるため、入園内定がもらいやすくなることもあります。
自治体によっては、不承諾通知を受け取った家庭だけのための保育所を設置しているところもありますよ。
保育園に入れなかったら育休はどうなる?
もうすぐ育児休業期間が終わるというときに保育園が決まっていないと、「このまま仕事を辞めなくてはいけないのか」と不安になってしまいますよね。
保育園に落ちて子供を預けられない場合、会社などに申し出ることで、最長で子供が2歳になるまで育児休業を延長することができます(※1)。同時に、育児休業給付金の給付期間も2歳まで延長できます。
その間も引き続き認可保育園の申し込みを続けることで、入園内定をもらえるケースもありますよ。
保育園に落ちても前向きにチャレンジしよう
保育園の見学や役所への書類提出など、万全の準備をして認可保育園に申し込みをしたのに落ちてしまうと、想像していた以上に落胆してしまうものです。いつになったら入れるのか、仕事は続けられるのかと頭を抱えてしまいますよね。
しかし、不承諾通知を受け取って待機児童となっても、転園や退園で空きが出たり、認可保育園をあきらめて申し込みを取り下げる人がいたりして、思っていたよりも早く入園内定が出ることもあります。
さらに、3歳児以上になると募集園児が増えたり、幼稚園入園のために退園する子がいたり、入園できる可能性が広がることもあります。
保育園に落ちてしまったときは、一人で悩まずにパパと話し合ったり、同じ状況のママや経験者に話を聞いたりすると、前向きに考えられるようになるはずですよ。
地域によっては厳しい現状が続いていますが、保活を諦めずに続けることで、希望する保育園に入れるといいですね。