妊娠中の子宮筋腫は出産できる?影響は?帝王切開になるの?

子宮筋腫は自覚症状がほとんどないため、妊娠中の妊婦健診のときに、子宮筋腫が見つかって驚くという女性も多くいます。妊娠できていたとしても、子宮筋腫があると妊娠・出産トラブルを招く可能性があるため、注意が必要です。そこで今回は、妊娠と子宮筋腫の関係性、出産への影響や対処法についてご説明します。

妊娠中に気をつけたい子宮筋腫とは?

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子宮筋腫とは、子宮を形成する筋肉の細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。腫瘍自体に命への危険性はほとんどないのですが、できる場所や大きさによっては、過多月経や貧血、周辺の臓器が圧迫されることによる痛みなどの症状が出ることがあります。

子宮筋腫ができる原因はまだ解明されていません。しかし、初潮前の女児には見られず、閉経後は筋腫が小さくなっていくことから、「エストロゲン」という女性ホルモンが子宮筋腫の発生・発育に関係しているのでは、と考えられています。

妊娠中に子宮筋腫が見つかったら?

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妊娠中に子宮筋腫が発生する頻度は0.5〜2%程度です(※1)。「妊娠ができていれば、子宮筋腫があっても問題ないのでは?」と思う人もいると思いますが、子宮筋腫がある状態での妊娠は「子宮筋腫合併妊娠」と呼ばれ、きちんとした管理が必要です。子宮筋腫の数が多かったり、一定以上の大きさになっていたりするときには、悪化しないように注視しなければなりません。

通常、子宮筋腫の治療法として、薬物療法や手術療法が行われます。しかし、日本産科婦人科学会によると、子宮を温存して筋腫のみを摘出する「筋腫核出術」は、妊娠中にはできるだけ行わないこととされています。

ただし、筋腫が大きくなり、変性(状態の変化)による症状が妊娠12週より前に現れた場合には、妊娠12〜13週の時期に子宮筋腫を取り除く手術を検討することもあります(※1)。

妊娠中の子宮筋腫の影響は?流産や早産につながる?

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妊娠に子宮筋腫が見つかったとしても、ほとんどの女性は問題なく出産を迎えます。しかし、筋腫の大きさや場所によっては妊娠中や分娩時に様々な影響が出る恐れもあるため、治療の必要性についてよく医師と相談することが重要です。

目安として、筋腫の大きさが3cm以上になると、早産、前期破水、常位胎盤早期剥離が10%の頻度で引き起こされます。また、筋腫が5cm以上になると、骨盤痛が見られる頻度は25%です(※1)。

子宮は本来、妊娠するとやわらかくなって胎児が成長できる環境を整えますが、子宮筋腫があると子宮が硬くなるので、妊娠初期には流産を招いてしまうこともあります。

また、子宮筋腫が子宮内を圧迫して胎児が発育不全に陥る場合もあり、妊婦健診を通してしっかり経過をみる必要があります。

妊娠中に子宮筋腫に気づくことはできるの?症状は?

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妊娠中に限らず、子宮筋腫は自覚症状がないことも多くあります。先ほどご説明したとおり、子宮筋腫の大きさや場所によっては妊娠・分娩に影響を与えることもあるので、見過ごさないように妊婦健診は欠かさず受けましょう。

子宮筋腫が大きくなってくると、臓器が圧迫されることによるお腹の張りや痛み、不正性器出血などが見られることがあります。気になる症状があれば、すぐにかかりつけの産婦人科に相談しましょう。

妊娠中の子宮筋腫は出産時にトラブルを招く?

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正常な出産は、陣痛が起こることでスタートします。陣痛は子宮が収縮するときの痛みの状態をさしますが、子宮筋腫によって子宮の収縮が妨げられると、「微弱陣痛」などのトラブルを引き起こすこともあります。

微弱陣痛と判断された場合、まずは待機して子宮の収縮が回復するかどうかを見ます。場合によってはオキシトシンやプロスタグランジンなどの陣痛促進剤を投与することもあります。

ただし、「過強陣痛」を起こすリスクがあるため、医師が母体と胎児の様子を見ながら、適切な量を投与する必要があります(※3)。

妊娠中の子宮筋腫は、帝王切開になる?

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妊娠中に子宮筋腫が見つかったからといって、必ず帝王切開になるとは限りません。それでも、子宮内に腫瘍があると微弱陣痛や胎位異常、回旋異常が発生し、帝王切開の件数が通常の6倍にまで増加するとされています(※1)。帝王切開か自然分娩かは、陣痛が起きた段階で赤ちゃんの頭がどれくらい下がっているのかなど、状況を見て判断されます。

ただし、妊婦健診で子宮筋腫が子宮の出口付近にあるとわかっているときには、出産時に赤ちゃんが産道を通過するのを妨げる恐れがあるため、母体と胎児の安全を考えて帝王切開を行うのが一般的です。

また、帝王切開の手術時に出血量が通常よりも多くなってしまったり、分娩後に子宮が十分に収縮せずに大量出血を起こしたりする恐れもあります。赤ちゃんが無事に生まれた後のケアも不可欠なので、帝王切開を行うにあたって気になることがあれば、担当の産婦人科医に確認するようにしましょう。

帝王切開で子宮筋腫を取り除くの?

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妊娠中にできた子宮筋腫は、妊娠期間はそのままにしておき、帝王切開を行うときに同時に取り除くこともあります(※2)。

帝王切開時に子宮筋腫をそのままにすると、子宮収縮がうまくできなくなったり、子宮内膜炎を引き起こしたりと、今後の妊娠時の流産・早産にもつながるデメリットが考えられるからです。

ただし、子宮筋腫は一度取り除いてもまた発生する可能性があるため、出産時に切除しても、次に妊娠した時には新たな子宮筋腫が見つかることもあります。

帝王切開をするときに子宮筋腫を取り除くかどうかは、病院によって判断が分かれるため、最適な対処法を産婦人科医に相談してください。

妊娠中の子宮筋腫のリスクを踏まえて医師と相談しよう

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子宮筋腫のできる場所や大きさは人によって違うため、一概に考えることが難しい病気です。妊娠中に大きくなってしまうこともあるので、妊婦健診で子宮筋腫が見つかったら分娩時にどんなリスクがあるかを医師に聞き、対処法を相談しましょう。

ほとんどの場合は、経過観察しながら適切な処置を続ければ、無事に出産を終えることができます。過度に心配せず、落ち着いてマタニティライフを送ってくださいね。

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