生理をずらすピルがあるの?正しい飲み方は?

旅行や大切な予定がある日に生理が重なってしまうと、とても憂うつですよね。「生理をずらしたい」と思ったことがある女性は、少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、生理をずらす効果のあるピルと、正しい飲み方についてご説明します。

生理をずらすことってできるの?

生理痛で苦しむ女性

毎月、定期的に生理がくるのは、女性ホルモンの働きによるものです。女性の体の中では、女性ホルモンと脳が協力しあって働き、毎月、妊娠の準備を進めています。

しかし、妊娠が成立せず、準備が不要になると生理という形で子宮をリセットし、翌月はまた、新たな準備を始めるのです。

「ピル」を服用し、この女性ホルモンの分泌量をコントロールすれば、生理をずらすことができます。

ピルには女性ホルモンに似た成分が配合されていて、服用すると、妊娠したときと同じようなホルモンバランスになります。ピルを服用している間は排卵が止まり、ピルの服用を止めると数日後に生理が起こります。

この作用を利用して、一定期間ピルを服用することで、生理の予定日をずらすことができます。

生理をずらすピルってどんな種類があるの?

はてながたくさん飛び出している女性
「ピル」には、「低用量ピル」と「中用量ピル」の2種類があります。

中用量ピルは、低用量ピルよりも多くのホルモン量を含んでいて、ホルモンバランスをコントロールする効果も高いとされています。ただ、中用量ピルは短期間の服用でホルモンバランスを変えられる反面、副作用が見られることがあります。

一方、低用量ピルに含まれているホルモン量は少なく、副作用を最小限に抑えています(※1)。低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプがあり、ある程度の期間、飲み続けることで効果を得られます。

生理をずらずピルの飲み方は?

診察を受ける女性
単発的な予定のために生理をずらす場合は、中用量ピルを服用することが一般的です。また、飲み方を調整することで自分で生理をコントロールできる低用量ピルの飲み方も、あわせてご紹介します。

中用量ピルの飲み方

中用量ピルは、生理予定日の5日前から服用を開始します。ピルを飲み続けている間は生理が来ないため、大切な予定の直前でも生理をずらすことができます。予定が終わってピルの服用をやめれば2〜3日後には生理が来て、これまでと同じ生理周期に戻ります。

低用量ピルの飲み方

一方、月経の周期をコントロールすることで生理の予定日をずらすこともできます。その場合は、低用量ピルを服用します。

低用量ピルには、21日間服用して、その後7日間服用を休止するタイプのものと、7日間は偽薬(プラセボ)を服用するタイプのものがあります。7日間の服薬を休止(もしくは、偽薬を服用)期間に、生理がきます。ただし、飲み忘れがあると、効果が出ない場合もあります。

生理をずらすピルはどこで購入できるの?

調剤薬局
ピルを購入するには、婦人科を受診しなくてはなりません。体重や血圧の測定、問診などをし、医師から飲み方や副作用の説明を受けます。

月経困難症からくる生理不順を改善し、生理周期をコントロールする場合は保険が適用されます。しかし、生理をずらす目的でピルを服用する場合は保険が適用されないので、全額自己負担となります。

また、下記に該当する場合は服用を控えたほうがよいとされています(※2)。

● 肝障害のある人
● 子宮筋腫がある人
● 過去に乳がんにかかったことのある人
● 糖尿病の人
● 40歳以上の人
● 高血圧の人
● 授乳中の人

これらの項目に該当する人は、診察時に医師にその旨を伝え、しっかり相談しましょう。

値段はどれくらい?

生理をずらす目的であれば全額自己負担となるため、中用量ピルは初診料と合わせて3,000円前後かかります。低用量ピルは、2,000〜4,000円程度です。

服用の目的や病院によって金額は多少異なるので、受診の際に気になることは確認するようにしましょう。

生理をずらすピルに副作用ってあるの?

吐き気を我慢する女性

ホルモンの量が多く含まれている中用量ピルでは、副作用が見られることもあるようです。代表的なものは、頭痛や吐き気、食欲不振です。

一方の低用量ピルでは、ほとんど副作用がないといわれています。また、「ピルを一定期間、飲み続けることになるから太るのでは?」という声もありますが、多少むくむことはあっても、体重が増加することはありません(※3)。

心配なことがあれば、診察時に医師によく相談するといいでしょう。

医師とよく相談して生理をずらすピルを活用しよう

海辺で腕を広げている女性
「お腹が痛いし、なんだかイライラするし生理なんてイヤ!」そう思う人も少なくないでしょう。ですが、生理が毎月くるのは、体の中で女性ホルモンがきちんと働いているサインなのです。

大事な予定と重なって、生理をずらしたい!と思ったら、早めに婦人科を受診しましょう。時間に余裕があれば、体にあった方法を医師に相談することができます。

大切な予定を快適に過ごせるように、計画は早めに立てられるといいですね。

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