臨月に入ってから、急に眠気を感じるようになったという妊婦さんは多いものです。長い妊娠生活の疲れが出てきているのかもしれませんが、臨月の眠気の原因は出産兆候なのでしょうか。
今回は、臨月に眠くなる理由と対処法についてご紹介します。
臨月に眠い!妊娠後期は眠くなりやすいの?
臨月に眠くなる原因としては、妊婦さんの体の変化が挙げられます。具体的には、臨月の妊婦さんの体は疲れやすく、浅い眠りにつきやすくなっています。
疲れやすい体質になっている
個人差はあるものの、臨月に入る頃には胎児や胎盤、子宮などの重さにより、体重は妊娠前よりも10kg前後増え、お腹もぐっと大きくなって心臓や肺に負担がかかります(※1)。そのため、母体は今まで以上に疲れやすく、体力を消耗しやすい状態になっています。
動悸や息切れを感じる妊婦さんも多くいますが、その体力を回復させるために、体が睡眠を欲すると考えられています。
眠りが浅くなる体質になっている
臨月に入ると、眠りを抑制する作用を持つエストロゲン(卵胞ホルモン)がより多く分泌されます。「眠りを抑制するエストロゲンが増えるなら、眠くならないのでは?」と思いますよね。
実はエストロゲンの影響で寝つきが悪くなることで、睡眠が細切れで浅くなってしまい、日中に眠気が襲ってくるのです。
この他にも眠りを浅くさせる要因として、大きくなったお腹のせいで寝返りが上手くできなかったり、ふくらんだ子宮が膀胱を圧迫し、夜中のトイレの回数が増えたりするというものがあります。
臨月に眠いと、胎児に問題があるの?
臨月の眠気は、母体の変化によるものです。
「臨月に眠くなるのは、もしかして赤ちゃんが元気がないからでは?」と心配になる妊婦さんもいるかもしれませんが、赤ちゃんの具合が悪いせいではないので安心してくださいね。
いつもと変わらず胎動を感じるなら、安心してゆっくりと睡眠をとり、十分な栄養を赤ちゃんに送ってあげましょう。
赤ちゃんの大きさやママの体型、妊娠週数などによって胎動の感じ方は異なりますが、分娩時まで全く感じられなくなることはありません。急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
また、胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。
臨月に眠い時の対処法は?
臨月に体験する眠気は、出産後には自然と治まります。そうとはいえ、出産までずっと眠いのはつらいものですよね。そんなときには、以下の対処法を試してみてください。
体を動かす
外出や家事、軽いストレッチなどをして、体を動かすのが臨月の眠気に有効な対処法です。体を動かすことで眠気を解消できるだけではなく、血行が良くなり、だるさも軽減できるメリットがあります。
臨月の運動としておすすめなのが、自分のペースで無理なく体を動かせる散歩と、安産効果のあるスクワットです。どちらの運動も、子宮口の状態によっては、医師から勧められることもある方法ですよ。
食べ過ぎに注意する
臨月に入ると、赤ちゃんが骨盤の中に下がり、胃への圧迫感が軽減されます。すると、食欲が湧きついつい食べ過ぎてしまうのですが、満腹状態だと眠気をより感じやすくなります。間食はできるだけ控え、適度な空腹感を保つようにしましょう。
コーヒーやお茶などカフェインが入っている飲み物は眠気をなくす効果がありますが、赤ちゃんへの影響を考えて、日常的に飲むのは控えて、できるだけカフェインレスの飲み物にした方が安心ですよ。
睡眠環境を整える
臨月の妊婦さんは睡眠が浅くなりやすいのですが、快適な睡眠環境を作ることによって、睡眠の質を上げることができます。たとえば、ブルーライトを発するスマートフォンやパソコンを寝る1時間前から見ないようにすることによって、気持ちのいい睡眠を得ることができます。
また、寝る直前に食事をすると、消化活動により睡眠の質が下がってしまうので、睡眠3時間前までに夕食を済ませておくことも睡眠の質向上につながります。
昼寝をする
どんなに眠気と闘っても勝てないときは、思い切って昼寝をするのもひとつの手です。夜の寝付きに影響がない程度に昼寝するとすっきりしますよ。
ストレス発散をする
ストレスがたまっていると、睡眠の質が悪くなる傾向にあります。臨月は「赤ちゃんを無事に産めるかな?」「陣痛はいつ来るのかな?」と妊婦さんが不安になり、ストレスを感じやすい時期です。日頃からのストレス発散を心がけるようにしましょう。
友人とおしゃべりしたり、好きな音楽を聴いたり、近所を散歩したり、自分に合ったストレス解消法を作っておくと、産後にも役立ちますよ。
臨月の眠気は出産兆候のひとつ
一日中眠気と闘っていると、「体に何か異変が起きているのかな?」「これでは何もできない…」とついつい心配や不安になってしまいますよね。
ただ、臨月は体の都合上どうしても眠くなってしまうものです。体が睡眠を欲しがっているのだと割り切って、軽い運動や昼寝などをしつつ、リラックスして過ごせるといいですね。