妊活中の方は、妊娠初期症状に起きる体調変化は気になりますよね。生理が来るのかどうかと落ち着かず、1日でも早く妊娠しているかどうかを知りたくなってしまうものです。今回は妊娠初期症状の一つである「着床出血」の症状について、色や量、起きる時期、生理との違いなどを、先輩妊婦さんの体験談も含め、詳しくまとめました。
着床出血の症状とは?
卵子と精子が受精し、受精卵が子宮内膜に着床するときに、絨毛(じゅうもう)が子宮壁を傷つけることがあります。このときに軽い出血を伴うことがあり、これが不正出血として体外に出てくることを「着床出血」といいます。
着床出血はみんな起こるの?
着床出血は妊娠した人全員に起こるわけではありません。
こそだてハックが、妊婦さん296人を対象に行ったアンケート(※)によると、着床出血を経験した人は14.2%。着床出血が起こらない人の方が多いようでした。
着床出血がないからといって妊娠していないわけではないので、参考程度に捉えたほうが良さそうです。
着床出血の時期はいつ?妊娠超初期?
着床出血が起きる時期は、「生理開始予定日の1週間前~数日前」くらいが一般的です。いわゆる「妊娠超初期」と呼ばれ、受精卵が子宮内膜に着床して、体の中では急速に細胞分裂を繰り返している時期です。
着床出血が出る期間としては1~3日が多いようですが、まれに1週間ほど続く人も。頻度も1度だけの人もいれば、何度も出る人など個人差があるので、特に生理不順の人は着床出血か不正出血かを見分けるのは難しいかもしれません。
着床出血の色と量は?
着床出血の色や量は、以下の通りです。
着床出血の色
色に関しても個人差が大きく、茶色いドロっとしたおりもの状のもの、うっすらとしたピンク色、真っ赤な鮮血など、様々です。通常の生理でも同じような色になることもあるので、妊娠が判明して初めて着床出血だったと感じる方もいます。
着床出血の量
着床出血の量は、おりものに色がついているかな?という程度の微量の場合がほとんどです。普段から不正出血がある人だと、着床出血との違いがわからないかもしれません。ただ、まれに生理と変わらないくらい出る場合もあります。
この通り、時期や色、状態、量には、個人差があり、着床出血か生理かを見極めるのは難しいといえます。それでは、どのようにして着床出血かどうかを判断すれば良いのでしょうか?
着床出血の体験談を紹介!
個人差がある着床出血。そこで、着床出血が現れたママの体験談を紹介します。参考にしてみてくださいね。
薄い茶ピンクの出血
生理予定日のちょうど1週間前に、薄い茶ピンクの出血がありました。量は多いときのおりものくらいでした。
みゆさん(25歳)
血が混じった茶色のおりもの
生理予定日の3日前に、血が混じった茶色のおりものがありました。1日で終了しましたが、下腹部のチクチク感と腹部がグーっと縮む感覚がありました。
さおりさん(30歳)
茶おりもの→鮮血
生理予定日3日前の夜に、茶色いおりものが出ました。翌朝に鮮血が出たので、おりものシートを一日中付けて過ごしました。次の日の朝にも軽く出血したものの、その夜には止まりました。
あいのりさん(35歳)
量は割と多め
生理予定日当日にナプキンが必要なくらいの出血がありました。最初は鮮血でしたが、夜には茶色になりました。長くは続かず、次の日には止まっていました。
ゆーゆさん(35歳)
子宮にチクチクとした痛みも
生理予定日に血が混ざったおりものが。 それと同時に、子宮にチクチクとした痛みを感じました。
かなさん(29歳)
着床出血と生理との違いは基礎体温
着床出血は、色、量、時期ともに少しだけ生理と違いはありますが、絶対的な違いはありません。そのときに見極めたいのが、基礎体温です。
排卵期に入ると、体温を上げる作用のある女性ホルモン「プロゲステロン」が分泌され、妊娠しやすい体作りをします。妊娠が成立するとプロゲステロンが分泌され続けるため高温期が続きますが、妊娠が成立しないとプロゲステロンの分泌量が減少し、基礎体温が下がっていきます。
つまり、基礎体温が下がった場合、着床出血ではなく生理の可能性が高いといえます。「高温期が2週間以上続いている」ことは妊娠初期症状の一つです。
ただし、生理開始予定日の数日前くらいはまだ高温期が続いている方もいるので、注意深く判断してくださいね。
着床出血に痛みをともなうこともあるの?
先に紹介した体験談の中にも、着床出血と同時に痛みを感じた人がいましたね。
着床出血が起きたのと同じ時期に子宮付近に痛みを感じたら、それは着床痛かもしれません。着床痛とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる痛み。痛みの感じ方には個人差がありますが、チクチクするという人が多いようです。
ただし、着床痛は医学的にまだはっきりしておらず、感じる人もそれほど多くないので、参考程度に覚えておきましょう。着床出血とともに痛みを感じるか感じないかで妊娠を判断せず、妊娠検査薬を使って判断することが大切です。
着床出血があれば妊娠検査薬を使える?
それでは、着床出血があったらすぐに妊娠検査薬を使えば良いのかというと、そうではありません。一般的な妊娠検査薬は、「生理開始予定日の1週間後以降」に使えるので、着床出血から1~2週間ほど過ぎてから。
正しい使用時期の前に妊娠検査薬を使うことを「フライング」と呼び、体に害があるわけではないので、何度も妊娠検査薬を使う人もいます。
確かに費用的なデメリットだけですが、妊娠しているのかしていないのか、また流産であるのかどうなのかなど、不安だけが大きくなることもありますし、正しく測れずに陰性から陽性に変わることも多いので、あまりおすすめできません。
早期妊娠検査薬であれば「生理開始予定日の2~3日前」から使用できるので、早く妊娠しているかどうかを知りたいという方は早期妊娠検査薬を試してみてくださいね。
また、自分では前回の生理だと思っていたものが、実は生理ではなく、不正出血であったという可能性もあります。
前回の生理が、いつもの生理より経血の量が少なかった、期間が短かったなどで、不正出血が疑われる場合は、もしかすると妊娠が進んでいるかもしれません。早めに妊娠検査薬を使って妊娠の有無を判断し、陽性のときは早めに産婦人科を受診してください。
着床出血の注意点は?
着床出血を、流産による出血と勘違いしてしまう方もいますが、流産は一度着床してからそれが剥離してしまう現象で着床出血とは異なるものです。
着床出血は、受精卵が子宮の壁やこれからできる胎盤を介して育っていくために起こる生理現象なので、安心してください。
着床出血があったらどうすればいいの?
着床出血があったら、「もしかして妊娠したかも?」とソワソワしてしまうかもしれませんが、この時点から着床率をあげる方法はなく、妊娠検査薬が陽性となるまで待つしかありません。
しかし妊娠の可能性がある人は、この時期から、妊娠中に気をつけたい次のことに取り組んでみるのもいいですね。
禁煙する
妊活中から禁煙している人は多いですが、もし喫煙をしている人がいれば、すぐに禁煙をしてください。副流煙も避けましょう。流産や早産を引き起こしやすいだけでなく、低出生体重児になりやすいなど、胎児への悪影響もあります。
禁酒する
アルコールも胎児に悪影響を及ぼしてしまうので、禁酒を始めましょう。胎児性アルコール症候群を引き起こし、低体重や低身長、発達障害など、生まれてくる赤ちゃんの体に影響が出ることがあります。
葉酸サプリを摂取する
神経管閉鎖障害の予防を目的として、厚生労働省は葉酸サプリの摂取を推奨しています(※1)。神経管閉鎖障害は、妊娠4~6週頃に作られる中枢神経の基となる器官の異常が原因です。
妊娠週数は最後の生理開始日を「妊娠0週0日」と数えるので、着床出血が起こる時期は妊娠3~4週頃。このタイミング、あるいはできれば妊娠する前から、葉酸サプリを飲み始めておきたいですね。
着床出血があったら妊娠兆候を確認しよう
普段の生理より前に少し違う量や色、おりものがあると「もしかして妊娠かも!?」と思ってしまいますよね。
しかし、着床出血だけで妊娠兆候だと断定するのは難しいものです。「高温期が続く」以外にも妊娠初期症状はたくさんあります。関連記事にその他の妊娠初期症状をまとめてありますので、合わせて参考にしてくださいね。
※アンケート概要
実施期間:2019年5月25日~5月29日
調査対象:妊娠11週目までの妊婦さん
有効回答数:296件
収集方法:Webアンケート