低用量ピル服用中に不正出血が続く!原因や止まらないときの対策は?

監修医師 産婦人科医 城 伶史
城 伶史 日本産婦人科専門医。2008年東北大学医学部卒。初期臨床研修を終了後は、東北地方の中核病院で産婦人科専門研修を積み、専門医の取得後は大学病院で婦人科腫瘍部門での臨床試験に参加した経験もあります。現在は... 監修記事一覧へ

低用量ピルは、望まない妊娠を避けるため、あるいは生理不順などの不調を改善するために使われることがある薬です。人工的にホルモンバランスを変化させるので、自然な生理周期では見られない症状が現れ、不安になることもあるかもしれません。今回は、ピル服用中に不正出血が止まらない場合や、腹痛もある場合について、原因や対処法、妊娠している可能性などについてご説明します。

ピル服用中の不正出血とは?

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低用量ピルは、「エストロゲン(卵巣ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンが配合された経口避妊薬です。

ピルを飲み続けることで、エストロゲンとプロゲステロンの作用が補われ、体内のホルモンバランスが排卵後と同じ状態になります。そうすると、脳が「すでに排卵されている」と認識するため、ピルの服用中は排卵が起こらなくなり、ほぼ確実に妊娠を防ぐことができます。

28日間飲み続けるタイプのピルであれば、ホルモンが配合されていない最後の7錠(プラセボ)を飲んでいる途中、21日間のタイプであれば1シート全部を飲みきったあとの休薬期間中に生理がきます。

これは、ホルモンが配合された錠剤を飲むのをやめると、体内のエストロゲンとプロゲステロンが急激に少なくなり、子宮内膜が剥がれ落ちて血液と一緒に「経血」として排出されるためです(※1)。

このような仕組みで起こる生理を「消退出血」といい、生理が終わっているはずなのに出血が続いたり、生理以外のときに性器から出血が出たりする「不正出血」とは区別されています。

ピルの飲み始めに不正出血が続く原因は?

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低用量ピルを飲み始めたばかりの1シート目では、生理のあとにわずかな不正出血が続くことも珍しくありません。

ピルの1シート目は生理が始まったタイミングで飲み始めますが、ピルの作用によってホルモンバランスが変化すると、本来の生理周期が崩れ、少量の出血がだらだらと続くことがあるのです。

また逆に、ピルを飲み始めたことで、いつもよりも生理が早く終わることもありますが、これも人工的にホルモンバランスが変化したことによって起こるものです。

多くの場合、1シートを飲み終える頃には新たなホルモンバランスに体が慣れて、2シート目からは不正出血が起こりにくくなるため、大きな心配はいりません。

ピルで急に不正出血が起こることもある?

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低用量ピルをすでに何シートか飲んでいるにもかかわらず、生理ではないタイミングで不正出血があると、「何か異常があるのでは」と心配になるかもしれません。

考えられる原因として、ピルを飲み忘れたり、併用しているほかの薬があったりする場合、体内のエストロゲンやプロゲステロンの分泌が急に少なくなることで、不正出血が起こることもあります。

もしくは、プロゲステロンの分泌が不十分である「黄体機能不全」に陥っていると、ピルを飲んでも十分にホルモンが補われず、子宮内膜が剥がれ落ちて不正出血が起きてしまうこともあります。

基本的には、不正出血の量はわずかで、数日で自然に治まるケースがほとんどなので、大きな心配はいりません。

ただし、出血の量が生理のときと同じかそれ以上多かったり、1週間以上続いたりという場合は、念のためピルを処方された婦人科で診てもらいましょう。詳しくは、次の章でご説明します。

ピルで不正出血が起きたときの対処法は?

先述のとおり、低用量ピルを飲み始めてすぐに不正出血が現れるのは、ホルモンバランスの変化に体が慣れるためのものです。最初の1シート(1ヶ月間)は様子を見て、自然に治まるのを待ちましょう。

ピルを数ヶ月間服用したあとに不正出血が起きた場合も、自然に治まるケースがほとんどです。

ただし、出血が長引いたり量が多かったりする場合は婦人科で相談してください。詳しい検査を受けて、一時的な不正出血なのか、それとも病気による出血なのかを見極める必要があります。

そのうえで、しばらくそのまま様子を見たり、ピルの種類を変えたり、必要な治療を行ったりするなどの対処をします。インターネットでピルを購入しているという人も、定期的に婦人科を受診してくださいね。

不正出血があった場合も、自己判断でピルの使用をやめたり、飲む量を変えたりせず、まずは医師に相談しましょう。

ピルで不正出血と腹痛がある場合は?

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低用量ピルの服用中に限ったことではありませんが、不正出血だけでなく、腰痛や腹痛などの症状も見られる場合は、「子宮筋腫」や「子宮体がん」などの婦人科系疾患や感染症が原因の可能性もあります(※1)。

そのため、ピルを飲んでいる途中で不正出血のほかにも気になる症状がある場合、不正出血の量や期間に関係なく、なるべく早く婦人科を受診してください。

また、体質によってはピルが合わず、吐き気やめまい、動悸などの副作用が現れることもあります。不正出血がなくても、つらい症状があるときには無理せず婦人科医に相談しましょう。

ピルの不正出血はほかの症状もチェック

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低用量ピルには、人工的にホルモンバランスを変化させる作用があります。体がその変化に慣れるまでは不正出血が起きることもありますが、継続的に服用していれば、いずれ症状も落ち着いてきます。しかし、不正出血以外にも気になる症状がある場合は、我慢せず病院へ行きましょう。

ピル服用中は、特に体調不良などがなくても定期的に婦人科で検査を受け、飲み続けても問題がないかどうか医師に確認してもらうようにしてくださいね。

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