生理が長い!長引く原因は?少量でだらだら続くのはピルのせい?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

「生理がいつもより長い」「だらだらと出血が続いている」などの症状がある人は、「過長月経」が疑われます。原因は様々ですが、治療を急いだほうがいい場合もあるので、注意が必要です。今回は生理が長引く原因、少量の血がだらだらと続いたときの注意、妊娠の可能性があるのかなどをご説明します。

正常な生理の期間は?長いのは異常なの?

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正常な生理は、1回につき3~7日間続きます。生理がこれよりも長く続く場合、「過長月経」となります(※1)。

出血量は個人差がありますが、1回の生理につき、20~140mlが一般的です。出血量がこれを超えると、「過多月経」となります(※1)。

「過長月経」と「過多月経」は同時に起こることが多く、原因も同じケースが多くあります。

生理が長引く原因は?更年期や低用量ピルの影響もある?

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生理が1週間ほどで終わるのであれば心配はいりませんが、8日以上長引くようなら、過長月経を疑いましょう。過長月経の原因には、以下のようなものがあります。

ホルモンバランスの乱れ

過長月経でよく見られる原因のひとつに、ホルモンバランスの乱れがあります。

女性ホルモンの分泌量は、ストレスや体調不良など、ちょっとした要因で乱れてしまいます。

ホルモンバランスが崩れると、月経不順や無排卵月経など、様々な月経異常にも繋がりかねないので、注意が必要です。

更年期

更年期に入ると、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が減るので、生理の周期や長さ、量などが不順になります。特に更年期の生理は、出血量が多く、長く続くことが特徴です。

生理が長く続くだけではなく、のぼせや動悸、憂鬱、イライラ、不眠など、更年期障害の症状を伴うこともあります。

婦人科系の疾患

粘膜下筋腫、腺筋症、子宮内膜症、子宮頸がん、子宮体がんなどの婦人科系の疾患があると、不正出血が起こって出血が続くので、生理が長引いているように感じられます。

特に子宮頸がんや子宮体がんは、早期発見が大切な病気です。不正出血が気になる場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。

婦人科系の病気だけでなく、全身疾患や、血液疾患の可能性もあります。

ピルの服用

経口避妊薬のピルを服用していると、体が慣れるまでに不正出血が起こって生理が長引いていると感じることがあります。

ピルの服用による不正出血は、飲み始めるとしばらく続きますが、体が慣れてくれば自然と治まります。

生理が長いときは治療が必要?

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生理が長引きすぎている、または生理のたびに長引くという場合は、婦人科で検査を行い、原因に応じた治療を行いましょう。

主な治療法には下記のようなものがありますが、症状が軽いときには、食事や睡眠、適度な運動などで生活習慣を見直し、改善を目指すこともあります。症状によって治療方法も異なるため、病院で医師と相談するようにしましょう。

低用量ピルの服用

ホルモンバランスの乱れが原因で生理が長引いている場合、低用量ピルを服用し、ホルモンバランスを整えることがあります。卵巣機能を休ませてサイクルを整えることで、ホルモンバランスや生理の長さも正常になっていきます。

低用量ピルだけでなく、漢方薬の服用で体質を改善し、長引く生理を正常の長さに戻すこともあります。

また、先に説明したとおり、低用量ピルの服用によって出血が長引くこともありますが、体が慣れれば自然とおさまります。

手術

婦人科系の疾患がある場合、手術を行って疾患の治療を行うことがあります。もちろん手術を行わず、低用量ピルなどで治療ができることもあるので、早めに気づくことが大切です。

手術の方法は、疾患の状態や妊娠希望の有無などによって異なります。

生理の出血が少量だけダラダラ続くのは妊娠の影響もある?

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不正出血が少量だけ長く続く場合、生理ではなく、下記のような妊娠にまつわる影響があるかもしれません。

化学流産

化学流産とは、受精卵ができて妊娠検査薬が陽性反応を示したものの、エコー検査で妊娠が確認できる前に流産してしまった状態をいいます。

化学流産が起きても、妊娠していなかったときと同じように次の生理が来るため、「少し生理が遅れているかな」と思うだけで、気づかないこともあります。

化学流産後の生理は、出血量が多くなって長引くことがあります。ただし個人差が大きく、普段の生理と同じくらいの量の出血で終わることもあります。

切迫流産

「切迫流産」とは、流産になりかけた状態のことです。切迫流産になると、少量の出血が続くことがあります。

そのため妊娠に気づいていないうちに切迫流産になると、生理が来ただけだと勘違いすることもあります。

妊娠の可能性がある人で少量の出血が続く場合、まずは妊娠検査薬で妊娠しているかどうかを調べてみましょう。陽性反応が出たら切迫流産の可能性があるので、早めに産婦人科で処置をしてもらってください。

異所性妊娠

「異所性妊娠」とは、受精卵が子宮内膜以外の場所に着床した状態のことをいい、全妊娠の1~2%程に起こります(※2)。

異所性妊娠になると、性器出血が続き、下腹部痛を伴うことがあります。生理のような出血が続いたときでも、もし妊娠の疑いがあれば、妊娠検査薬で検査をしてみてください。

検査をして陽性反応が出たら、速やかに病院を受診しましょう。

生理が長いと感じたら早めに病院へ

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生理が長い原因は様々ですが、体に何らかの異常が起きている可能性があります。ホルモンバランスの乱れや婦人科系の疾患が原因だった場合、症状が悪化して不妊につながってしまったり、病状が進行してしまうことがあります。

「生理が長引いている」「生理がだらだら続く」と感じたときは、婦人科で早めに検査をしてもらいましょう。きちんと原因がわかれば対処もできますし、生理のたびに不安を感じることもなくなります。

また、生理が長引くときは、体が疲れていることもあるので、できるだけストレスを発散し、ゆっくりすることも大切ですよ。

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