危険日・安全日の妊娠確率は?「絶対できない日」はある?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠を望むタイミングというのは、人それぞれ違いますよね。妊娠するため・しないために知っておきたいことの一つが、妊娠の「危険日」と「安全日」。

そこで今回は、危険日・安全日はそもそもどのような日で、それぞれ妊娠確率はどのくらいなのか、危険日や安全日を計算して予測する方法などをご紹介します。

危険日・安全日って何?

女性 ベッド 本

いわゆる「危険日」とは、「妊娠確率が高い日」のことです。医学的に定義されているわけではありませんが、一般的に「排卵日の前後1週間ほど」を指します。

「安全日」というのは、広義では「危険日以外」の妊娠確率の低い期間のことを指し、特に生理の直前・直後を指すことが多いです。

そもそも妊娠とは、女性の体内で排卵が起こり、卵子と精子が出会って受精し、女性の子宮内膜に受精卵が着床して成立します。

そのため、排卵のタイミングや精子と卵子の寿命などの条件がそろうことが必要となります。

精子の寿命は、女性の腟内に射精され卵管内に到達してから約72時間、卵子の寿命は排卵から約24時間とされています(※1)。

これらを踏まえると、「排卵の数日前に性交を行い、先に精子が女性の体内に入っている」という状態であると、妊娠が成立しやすい時間が長くなるといえます。

安全日の妊娠確率は0%なの?

カレンダー

「安全日=絶対に妊娠しない日」ではありません。安全日とは、あくまでも「危険日に比べて妊娠確率が低い日」になります。

生理周期や排卵のタイミングには個人差があり、体調や環境の変化、ストレスなどによって、普段の周期より早まる、または遅れることもあります。

そのため、「生理が終わって何日までは安全日」「排卵予定日の何日前までは安全日」などと確実にいえるわけではありません。

危険日以外のいわゆる安全日といわれている期間も妊娠確率はゼロではないことを覚えておきましょう。

危険日の妊娠確率ってどれくらい?

確率 サイコロ

危険日を狙った場合の確率ではありませんが、妊娠を希望するカップルがコンドームなどの避妊具を使用せずに性行為を行った場合の妊娠確率は、1年間で約80%とされています(※2)。

ただし、女性の年齢によっても妊娠のしやすさは変化します。

一般的に年齢が低いほど妊娠しやすく、不妊の確率は25~29歳で8.9%、30~34歳で約14.6%、35~39歳で21.9%、40~44歳では28.9%と、年齢が上がるほどに高まります(※3)。

危険日・安全日はどうやって知る?推測する方法は?

カレンダー 妊娠検査薬

妊娠の危険日・安全日は排卵のタイミングによるため、排卵日を推測することで危険日や安全日がわかります。

ただし、生理周期や排卵日がずれることもあるので、あくまでも参考程度に活用してみてくださいね。

排卵検査薬

できるだけ正確に排卵日をつかみたいときは、市販の排卵検査薬を使用する方法があります。

排卵検査薬は、尿に含まれる「黄体形成ホルモン(LH)」の濃度を測り、排卵直前に起こる「LHサージ」という現象を確認することで排卵日を予測します。

排卵検査薬の種類にもよりますが、一般的には次の生理予定日の17日前から検査を開始して、初めて陽性反応が出た日かその翌日に排卵が起こるとされています(※4,5)。

排卵検査薬は第一類医薬品であるため、「妊娠するために排卵日を特定したい」という目的で販売・使用されるものです。

「危険日や安全日を知る」という避妊目的のものではないので注意してくださいね。

基礎体温表

基礎体温表

毎朝、寝起き直後に基礎体温を測り、その変化を見ることで排卵日を計算・予測できます。上の表のように、1回の生理周期の中で基礎体温は「低温期」と「高温期」の二相に分かれます。

一般的には、低温期の中でも一度ガクッと体温が下がるタイミングで排卵が起きていると考えられています。

ただし、人によって排卵のタイミングがずれることもあるので、「最低体温日の前後1~2日間に排卵が起こる可能性が高い」と考えておくといいでしょう。

オギノ式

オギノ式は大正時代に発表された民間の懐妊法で、現在では避妊を目的に使われることもあります。

「女性の排卵期は、次回の生理予定日の12~16日前の5日間である」という、シンプルな計算方法です。

生理周期が安定している人であれば、オギノ式を参考になんとなく排卵時期を予測できますが、生理不順の場合はあまり向かない計算方法です。

危険日・安全日はあくまでも参考に

今回ご紹介したように、排卵日を推測することで、危険日・安全日もある程度は予測できます。ただし、排卵のタイミングは、体調やホルモンバランスによって大きく左右されるものです。あくまでも参考程度と捉えてください。

まだ赤ちゃんを迎えるには早いという場合や、妊娠を望まない場合は、必ず避妊具を使って性交渉をしましょう。

妊娠を希望している場合は、パートナーと協力したり排卵日を推測したりしながら妊娠に向けて準備をしていけるといいですね。

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