40代の妊活の進め方は?不妊治療の必要性や妊娠のリスクは?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

近年、晩婚化が進み40代で出産を予定する人も少なくありません。ただ、一般的に35歳頃からは体が変化することで、思うように妊娠の兆候がみられないことや、妊娠にリスクをともなうこともあります。

今回は40代の妊活の進め方や不妊治療の必要性、妊娠に伴うリスクなどをご紹介します。

40代以降の妊活の実態は?

女性 おなか ハート 妊娠

令和2年の出生数である840,835人中、40〜44歳の母親から生まれた赤ちゃんは47,899人、45〜49歳で1,624人、50歳以上で52人で、およそ5.9%が40歳以降に出産していることが報告されています(※1)。

上記の出生数のなかには自然妊娠だけでなく、不妊治療を経て出産しているケースも含まれています。

40歳以降でも妊娠は可能ですが、年齢を重ねるにつれて体が変化していくため、思うように妊娠まで至らない場合も少なくありません。

そのため、産婦人科などでは一般的には35歳以降は高齢妊娠として対応します。

40代以降が妊娠しにくいといわれる理由は?

お腹 妊婦 妊娠 クエスチョン はてな ?

年齢を重ねるごとに女性の卵子や男性の精子が老化することが、妊娠しにくくなる原因の一つです。

卵子の減少・質の低下

女性は生まれた段階で卵子に成長する原始卵胞の数が決まっています。加齢に伴って卵子の数は減っていくと同時に、原子細胞の質が低下していきます。

細胞の質が低下すると受精しにくくなるほか、遺伝子や染色体に異常が起こりやすくなります(※2)。そのため、受精をした場合でも流産や染色体異常の可能性が高まります。

精巣機能の低下

年齢を重ねると、精巣機能の低下に伴い、精液の量や精子の数が減少し、精子の運動率も低下する傾向にあります(※2)。精子の老化が始まる年齢には個人差がありますが、35〜40歳頃には始まると考えた方がいいでしょう。

40代の妊娠には不妊治療が必要なの?

顕微授精 受精 顕微鏡 体外受精 不妊治療 卵子

一般的に「不妊」とは、妊娠を希望する男女が避妊することなく性生活を送っていて1年以上妊娠しない状態を指します。

しかし先の理由から、40代以降は不妊治療が必要なケースもあります。このことから、アメリカの生殖医学会では、女性の年齢が35歳以上の場合は、6ヶ月の不妊期間が経過したら不妊検査を受けることを提唱しています(※3)。

検査の結果、不妊治療が必要とされる場合、方法は様々です。排卵日と性交渉のタイミングをあわせる「タイミング法」や、卵子と精子の受精や着床を人工的にサポートする「人工授精」「体外受精」「顕微受精」もあります。

不妊の症状や年齢などを見ながら治療方法を決めるのが一般的で、40代の不妊治療でもタイミング法や人工授精を行うこともありますが、場合によっては始めから体外受精や顕微受精を選択することも少なくありません。

40代以降で不妊治療をする際に知っておきたいことは?

日本人 夫婦 病院 診察 不妊治療

治療が長期化しやすい

年齢を重ねると、自然妊娠の確率が下がるだけでなく、不妊治療を行ったうえでの妊娠においても成功率は減少します。

例えば体外受精の場合、30代前半までは35〜40%あった胚移植による妊娠率は、35歳以降で減少を始め、40歳で 27.2%、45歳では6.5%になります(※4)。

そのため、不妊治療を40代以降で始めて、なかなか妊娠に至らずに治療が長期化するケースも少なくありません。

費用の面も含めて、いつまで不妊治療を続けるか、パートナーとよく話し合っておくとよいでしょう。

保険が適用される年齢・回数に上限がある

不妊治療には、基本的に健康保険が適用されます。しかし、体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療」には、保険が適用される年齢や回数に上限があるので注意が必要です(※5)。

不妊治療を受ける前にしっかり確認しておきましょう。

保険適用される年齢の上限

● 治療開始時に、女性の年齢が43歳未満であること
なお、男性の年齢制限はありません。

保険適用される回数の上限

● 初めての治療開始時の女性の年齢が40歳未満の場合
→通算6回まで保険適用

● 初めての治療開始時の女性の年齢が40歳以上43歳未満の場合
→通算3回まで保険適用

40代の妊娠・出産に伴うリスクは?

アイキャッチ使用 妊婦 産婦人科 病院

30代後半以降の女性が妊娠した場合は、あくまで傾向ですが、母体と胎児それぞれで以下のようなリスクが考えられます(※6)。

  • 母体への負担が増え、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」のリスクが高まる
  • 染色体異常が起こりやすくなることで、流産や先天性の病気を持つ子どもが生まれる確率が高くなる
  • 妊娠途中で胎児が亡くなる可能性や、生まれた直後に赤ちゃんが亡くなる可能性が高くなる

特に染色体異常や流産などは妊婦さんの努力によって防ぐことが難しいものですが、年齢が上がるにつれてこれらのようなリスクも高くなることは、知っておきたいですね。

40代で妊娠を望む場合は早めに相談しよう

自然妊娠であっても不妊治療を受けるにしても、年齢が上がるごとに妊娠する確率が下がってしまいます。

そのため、40代で妊娠を望む場合には、パートナーとよく話し合い、できるだけ早く不妊治療を行っている産婦人科やクリニックなどで専門医に相談すると良いですよ。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう