赤ちゃんの体重が増えないのは何か原因がある?対処したほうがいい?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

出産後、赤ちゃんがしっかり成長しているのか、ちゃんと母乳やミルクが飲めているのか、体重をみて一喜一憂するママは多いのではないでしょうか?一生のうちでもっとも体の成長が著しい赤ちゃん。そんな赤ちゃんの体重が思ったよりも増えないと不安を感じてしまいますよね。そこで今回は、新生児や赤ちゃんの体重が増えない原因や、生後6ヶ月までの体重の増え方についてまとめました。

そもそも新生児や赤ちゃんの体重増加はなぜ必要?

赤ちゃん 新生児 体重 泣く 測定 秤 体重計

新生児や赤ちゃんの体重増加は、1年間で歩行が可能になるだけの筋肉や骨格・脳の機能などを発達させるために必要なこと。つたい歩きや歩行しはじめの時期は転びやすいため、転んだときの衝撃を吸収できるように脂肪をつける必要もあります。

大人にとって、体重が増えるのは嫌なことと感じる人もいますが、そもそもの役割や意味が異なります。生まれたばかりは寝ているだけの赤ちゃんにとって、生後1年前後で歩けるようになるまでには、体重の増加はとても大切なことなんですよ。

新生児の体重が増えない原因は?減るのはなぜ?

クエスチョン 女性 疑問 どちらか どっちか 選ぶ 選択

生後1週間までの間、新生児の体重が増えないのは、「生理的体重減少」が原因の一つです。この時期は、母乳やミルクをたっぷり飲みますが、その反面、尿・胎便・老廃物・汗といった、体外に出ていくものの量が上回るほど多いのも特徴です。

生理的体重減少は出産直後から起こります。ママは急な体重の減少に慌ててしまうこともありますが、減り方が出生体重の10%以内であれば問題ありません。自然現象のひとつで、生後1~2週間すると元通りになることがほとんどです。

新生児や赤ちゃんの1日の体重の増え方は?

増加 グラフ 増える 黒板 アップ

新生児や赤ちゃんの1日の体重の増え方の平均は、生後1~3ヶ月なら25~30g、生後3~4ヶ月未は13~16g、生後5ヶ月~1歳は8~10gくらいと覚えておくと良いでしょう。

生後2週間あたりから増え始め、生後3ヶ月頃には出生時の約2倍、生後1年で出生時の約3倍というのが平均的な増加スピードです。

もし平均よりも体重が増えておらず、成長曲線を下回るようであれば、食生活などを見直してみるタイミングかもしれませんね。

離乳食が始まっている月齢であれば、児童館や子育て支援センターの離乳食指導や講習に参加してみたり、育児相談で管理栄養士に相談してみたりするのもひとつの方法ですよ。

生後1・2・3・4・5・6ヶ月の赤ちゃんの体重が増えない原因は?

体重計 ベビースケール 赤ちゃん

新生児の体重が増えない原因のひとつに、生理的現象をご紹介しましたが、生後1~6ヶ月で体重が増えない原因にはどんなことがあるのでしょうか。

原因の一つには、体重よりも身長や頭囲が成長するタイミングで、体重増加が鈍化することもあげられます。

以下に月齢別の特徴をご紹介します。

生後1・2・3・4ヶ月で体重が増えない

生後1~4ヶ月で体重が増えない場合、母乳やミルクが足りていない可能性があります。母乳やミルクの過不足を判断するには、おしっこの回数に注意してください。

生後3ヶ月頃は1日に5~6回おしっこをしますが、これよりも少ないと母乳やミルクが足りていない可能性があります。もし母乳育児で回数や間隔にとらわれ、泣いても授乳していないなどの心当たりがあれば、気にせず母乳を飲ませてあげましょう。ママの体調が悪いときは、母乳の出が悪いこともあるので、ほしがるときは回数を増やすと良いですよ。

うまく飲めないうちは、ミルクと混合にしてみても良いですね。ミルクの場合も、量・回数が月齢や体重と合っているか、見直してみてください。

生後5・6ヶ月以降で体重が増えない

生後5ヶ月を超えると離乳食がスタートするため、離乳食をきちんと食べてくれるかどうかで体重の増加も左右されます。

体重が増えない場合は、離乳食が足りずに栄養が不足している可能性も考えられるので、フォローアップミルクをあげて栄養を補うようにしましょう。

この頃から寝返りなどで運動量が増えてくるので、離乳食をたくさん食べていても体重がそれほど増えないことはあります。きちんと食べているかどうかは、おしっこやうんちが毎日出ているかで判断しましょう。

新生児や赤ちゃんの体重が増えないのは病気?

予約 医師 病院 カレンダー スケジュール 判定日 診察日

新生児や赤ちゃんの体重が増えないのは、個人差もあるので一概にはいえませんが、1日の平均増加体重よりも少ない日が長く続く場合は注意が必要です。

赤ちゃんがずっとぐずっていたり、いつもと様子が違うときは病気の可能性もあります。特に新生児の場合、体重が全く減らない・増えない状態は「ヒルシュスプリング病」という、腸や内臓の異常による病気の可能性もあるので、小児科を受診しましょう。

ある程度機嫌が良く、食欲があるようなら、まずは母乳やミルク、離乳食の量を増やして様子をみましょう。必ずしもすべての赤ちゃんが成長曲線通りになるとは限りません。もともとの出生体重もあるので、成長曲線を下回ったからといって過剰に心配する必要はありませんよ。

赤ちゃんの体重が増えないときは、まず様子をみよう

親子 ママ 赤ちゃん ベッド

新生児や赤ちゃんの体重の変化は、個人差が特に大きいもです。体重が1~2日変わらない程度であれば、慌てずにまずは普段の様子を注意深く観察してあげてください。

機嫌よく、元気に遊んでいたり、母乳やミルク、離乳食が摂れていたりするようなら、体重が増えないことに神経質にならず、大きな心で赤ちゃんの成長を見守ってあげてくださいね。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう