赤ちゃんの頭の形を矯正!いびつな頭は枕で向き癖を治せばいい?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが生まれてすぐ、あるいはしばらくしてから、ふと頭をみたときにいびつな形をしていてびっくりしてしまうママやパパは多いようです。全ての赤ちゃんがいびつになるわけではありませんが、妊娠中のお腹の中の環境や分娩方法が影響して、赤ちゃんの頭の形が変形してしまうのは珍しいことではありません。そこで今回は、赤ちゃんの頭の形がいびつになる理由や矯正する方法、注意点を含めまとめました。

赤ちゃんの頭の形がいびつになる理由は?新生児はなりやすい?

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赤ちゃんの頭の形がいびつになる理由は、頭蓋骨がまだ柔らかく変形しやすい状態で、外的な影響を受けやすくなっているからで、先天性のものと後天性のものがあります。

先天性の場合は、初産や多胎妊娠で子宮内のスペースが狭くて、生まれてくるときに頭の形を変形させたり、吸引分娩や鉗子分娩の際に力が加わったりすることが変形の原因です。特に吸引分娩を行うと、頭の一部が変形して見えますが、ほとんどは生後数日できちんと形が整います。

後天性の場合は、月齢が低く寝返りがうてない時期に、長時間同じ体勢で寝ていたり、首がすわる前に向き癖があり、特定の方向ばかりを向いて寝ていたりすることが影響して変形します。NICU(新生児集中治療室)に入った場合、チューブなどを取り付ける関係で横向きに寝ているので、長頭になる可能性が高まるようです。

赤ちゃんの頭の形がいびつな状態の主な例

● 頭位性斜頭(絶壁頭):後頭部の右側・左側のどちらかが平らになる状態
● 短頭:後頭部全体が平らになる、いわゆる絶壁頭
● 長頭:側頭部が平らになって頭の幅が狭くなる状態

赤ちゃんの頭の形は矯正できる?

? 疑問

赤ちゃんの頭の形が悪い場合でも、基本的には医学的な治療は行われません。成長とともに首がすわって、起きている時間が長くなると自然に形が良くなっていくケースがほとんどです。

頭の形がいびつでも脳の発達に悪影響を与えるものではありません。ただし、変形の度合いが大きいと、成長しても頭の形がいびつなままで、腰痛や肩こり、頭痛などのトラブルが出ることもあります。

赤ちゃんの頭の形がいびつな原因は、ほとんどが向き癖です。まずは寝かせる向きを工夫をしてみてください。

過度に形が悪い場合はヘルメットなどを使って矯正することもあるので、頭の形で不安があれば乳児検診の際に医師に確認しましょう。

赤ちゃんの頭の形を矯正する方法は?枕で向き癖を治せばいい?

ここでは、赤ちゃんの頭の形がすでにいびつな場合の矯正や、予防にもおすすめの方法をご紹介します。どうしても頭の形が気になるという方は、以下の方法を試してみてください。

向き癖防止の枕・クッションやタオルを使う

月齢が低いうちは、市販の向き癖防止クッションを使って予防できます。バスタオルなどを縦長に巻いて赤ちゃんの背中に当て、寝かせる向きを少しずつ変えていく方法もありますよ。

ドーナツ型の枕もありますが、顔の向きが変わると口や鼻をふさいで窒息する恐れがあるので、使用するときは長時間目を離さないようにしましょう。

向いてほしいほうにおもちゃを置く

赤ちゃんは物音や動きを感じると、音がしたほうを向きます。そのため、向き癖がある場合には向いているのとは逆のほうに、音が鳴ったり動いたりする赤ちゃんの好きなおもちゃを置いてみましょう。

向いてほしいほうから声をかける

向き癖のある方向とは逆から、赤ちゃんに声をかけてみましょう。大好きなママやパパの声が聞こえると、赤ちゃんは一生懸命にそちら側を向こうとします。

赤ちゃんの名前を呼んだり声をかけたりして、積極的にコミュニケーションをとってあげてくださいね。

腹ばいにする

首が座ってきたら、起きている間だけ腹ばいにして、頭に圧がかかる時間を短くしてあげるのもひとつの方法です。

ただし、うつぶせ寝につながるので、腹ばいにするときは固めのマットレスの上で行い、決して目を離さないでください。生後6ヶ月を過ぎるまでは、寝ているときにうつぶせ寝をさせないようにしましょう。

長時間同じ姿勢になるのを避ける

長時間ベビーシートやベビーラックなどに入ったまま同じ姿勢でいると、頭の位置が固定されてしまいます。

同じ部分に圧力がかかってしまうのを避けるために、長時間同じ姿勢にならないように気を配ってあげましょう。

赤ちゃんの頭の形を矯正するときの注意点は?

注意

昨今、赤ちゃんの頭の形がいびつになることが増えているといわれています。一時期、絶壁頭にしないようにするために、赤ちゃんをうつぶせ寝にすることが流行しました。

しかし、うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まることがわかったことで、今では頭の形を治す目的でうつぶせ寝にする人も少なくなりました(※1)。その代わりに、仰向けに寝かせることが当たり前のようになり、絶壁頭になる赤ちゃんが増えたのかもしれません。

絶壁頭にしない方法は、うつぶせ寝にする以外にも方法はあります。くれぐれも、頭の形を治したいためにうつぶせ寝にしないよう注意しましょう。

また、これまで紹介した症状以外に、稀に病気によって頭が大きい・小さいという場合もあります。主に、狭頭症、小頭症、水頭症などがあげられますが、成長に伴い、体と頭のバランスに違和感を感じることが特徴です。

頭の大きさで気になる点があれば、乳児健診時やかかりつけの小児科医に相談してみましょう。

赤ちゃんの頭の形は、焦らず様子をみながら対応しよう

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赤ちゃんの頭の形がいびつだと、今後の成長にひびくのではないかと焦ってしまうママもいますが、焦らずに赤ちゃんの様子をみながら対応してあげましょう。

同時に、赤ちゃんの体調や機嫌に変化がないかなども見てあげると良いですね。もし、違和感や疑問を感じることがあれば、早めに小児科で相談してみるのがおすすめです。

また、向き癖を治す専用の枕などを使う場合、赤ちゃんが嫌がるときは無理をしないようにしましょう。少しずつ慣らしていき、継続することが大切です。

頭の形は1~2日ですぐに戻るものではないので、対応しながら変化をしっかり観察しておくようにしてくださいね。

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