卵胞ホルモンとは?数値を増やすにはどうすればいいの?

女性ホルモンの一つである卵胞ホルモンは、女性らしい体作りや妊娠しやすさに関係している、女性にとって大事なもの。卵胞ホルモンの数値が減少すると、様々なトラブルが生じることも。そこで今回は、卵胞ホルモンとは何なのか、その働きや分泌サイクル、数値を増やす方法についてご説明します。

卵胞ホルモンとは?

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卵胞ホルモンとは、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」のことを指しています。

女性ホルモンの「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2つは、どちらも女性の妊娠・出産に向けた体を作る働きのあるホルモンです。

黄体ホルモンは、排卵が起きると卵巣から大量に分泌され、卵胞ホルモンが整えた子宮内膜をふわふわで厚くすることで、着床により適した状態にします。また、黄体ホルモンには基礎体温を上げる働きがあり、妊娠を維持する働きがあります(※1)。

卵胞ホルモンが出る仕組みは?

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女性の生理周期とも関係している卵胞ホルモンは、以下のような仕組みで分泌されます。

卵胞ホルモンの分泌サイクル

脳の視床下部から脳の下垂体を刺激するホルモンが分泌されると、下垂体が反応して卵胞刺激ホルモンを分泌します。すると、刺激された「卵胞」という卵子を育てる細胞から卵胞ホルモンが分泌され、卵胞の成長に伴ってさらに卵胞ホルモンが分泌されていきます。

卵胞ホルモンの分泌量は生理の終わり頃から徐々に増えて、排卵を迎える頃にピークを迎えます(※1)。

卵胞ホルモンの数値

卵胞ホルモンの分泌量は、30〜80pg/mlが一般的な正常値とされています。排卵が近くなると150〜400pg/mlにまで増加しますが、2,000pg/mlを超える場合は、卵巣の病気を発症するリスクが高い状態です。逆に、20pg/ml以下の場合は骨量が低下する可能性があるので、注意が必要です(※2)。

卵胞ホルモンにはどんな働きがあるの?

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卵胞ホルモンには、妊娠・出産の準備以外にも様々な働きがあります。

妊娠に向けた体の準備

前述のとおり、卵胞ホルモンには、妊娠・出産に向けて体の準備をする働きがあります。

まず、卵胞ホルモンが正常に分泌されることできちんと卵子が育ち、毎月排卵が起こります。排卵前には、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を増殖させて子宮内膜を厚くします(※1)。

さらに、卵胞ホルモンにはおりものの粘着性を弱めて、分泌量を増やす働きもあります。さらさらとした大量のおりものが腟内にあることで、精子は子宮内へたどり着きやすくなるのです(※1)。

着床した場合、卵胞ホルモンの分泌量は出産まで徐々に増え続け、子宮の筋肉を発達させて妊娠の状態を維持したり、母乳を作る準備を整えたりします。

女性らしい体づくり

卵胞ホルモンには、皮脂腺の分泌を抑制する働きとコラーゲンの合成を促進する働きがあります。

そのため、卵胞ホルモンの分泌量が多いと、肌にニキビやシワが少なくなるため「美容のサポートをしてくれるホルモン」とも言えます(※1)。

体の健康維持

卵胞ホルモンは、子宮への作用以外に、体の健康維持にとって重要な役割も担っています。

卵胞ホルモンには、血管を拡張させる作用があるので、動脈硬化を予防します。また、骨量の維持にも影響するため、卵胞ホルモンがあることで骨粗鬆症になるリスクを減らすことができます(※1)。

卵胞ホルモンが少ないとどうなるの?

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卵胞ホルモンには、先述のように肌の質を良くする働きがあるので、分泌量が減ると肌荒れが増え、女性の美容の面で影響が出ることがあります。

さらに、卵胞ホルモンが正常に分泌されないと、排卵障害や生理不順を引き起こし、不妊につながることもあります。

しかし、卵胞の数は加齢とともに減少し、閉経すると卵胞の数はゼロになるため、卵胞ホルモンの分泌量もそれに伴い徐々に減っていきます。

卵胞ホルモンの分泌量が少なくなると、のぼせやほてり、頭痛やめまいなどの更年期障害の原因にもなります。加齢により卵胞ホルモンの分泌量が急激に減ると、骨粗鬆症のリスクも高まるとされています。

卵胞ホルモンの数値を増やすには?

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卵胞の数は増えることはないため、加齢とともに卵胞ホルモンの分泌量が減っていくのは、ある程度仕方のないことです。しかし、卵胞ホルモンを正常に分泌できていない状態を改善することは大切です。

規則正しい生活

不規則な生活や、バランスの偏った食事が続いていると、ホルモンバランスが乱れることがあります。卵胞ホルモンを正しく分泌するには、まずは健康的な体であることが第一です。睡眠時間をたっぷりとり、バランスの良い食事をとるように心がけてみましょう。

大豆イソフラボンの摂取

豆乳に含まれる大豆イソフラボンには、卵胞ホルモンに似た作用があるとされています(※3)。卵胞ホルモン自体を増やすことはできませんが、豆乳などの大豆イソフラボンを意識的に摂取するのも良いでしょう。

ただし、卵胞ホルモンは分泌量が多ければ多いほど良いというわけではありません。

卵胞ホルモンは、乳腺症や乳がん、子宮筋腫といった女性特有の病気の原因となることがあり(※1)、大豆イソフラボンも卵胞ホルモンと同様のリスクがあると考えられているので、過剰に摂取しないように気をつけてくださいね。

卵胞ホルモンは健康的な生活でバランスを整えよう!

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卵胞ホルモンは、妊娠・出産と健康維持、美容のどの面においても女性にとって欠かせないものです。

卵胞ホルモンは、分泌量が少ないと排卵障害や生理不順を引き起こしますが、多すぎると女性特有の病気の原因にもなるので、分泌量が正常な数値であることが大切です。

卵胞ホルモンを正常に分泌するためには、早寝早起きを心がける、栄養バランスの良い食事をとるなど、生活習慣を見直して健康的な生活を心がけてみてくださいね。

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