妊娠22週以前に注意すべき「切迫流産」とは?原因や症状、兆候は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠してから初めて「切迫流産」という言葉を知った人も多いのではないでしょうか。いわゆる「流産」とどう違うのか、妊娠を継続することはできるのかなど気になりますよね。

そこで今回は、切迫流産について原因や症状、治療法、対処法についてご説明します。

切迫流産とは?

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切迫流産とは、「妊娠22週未満で赤ちゃんが子宮内に残っているが流産の危険性がある状態」です(※1)。

流産をすると妊娠を継続することはできませんが、切迫流産は「流産の一歩手前」の段階なので、妊娠を継続できる可能性があります。

切迫流産の原因は?

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流産は起こる時期によって、妊娠12週未満の「早期流産」と妊娠12週以降の「後期流産」に分類されます。

妊娠12週未満に起こる早期流産は胎児の染色体異常が原因であることがほとんどで、切迫流産となる原因ははっきりとわかっていません(※1)。

妊娠12週以降に起こる後期流産は、子宮奇形や子宮頸管無力症、細菌感染による絨毛膜羊膜炎など、母体側による原因が多くなります(※2,3,4)。

妊娠12週以降の切迫流産の原因も同じであることがほとんどなので、早期治療をすることで切迫流産を予防できる可能性もあります。

ただし原因不明のケースもあるため、完全に予防するのは難しいです。

切迫流産の症状は?出血や腹痛があるの?

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切迫流産の症状として、主に以下のようなものがあげられます(※2,4)。

● 少量の性器出血
● 軽い下腹部痛
● 腰痛
● 下腹部の張り

妊娠初期は妊娠経過が順調であっても少量の出血が見られることがありますが、ちょっとでも出血があったら自己判断はせず、かかりつけの産婦人科に連絡して状況を伝え、指示に従いましょう。

出血量が生理のときより多い場合や、あまりにも腹痛がひどい場合は、切迫流産ではなく流産や異所性妊娠の可能性もあるため、すぐに受診をしてください。

切迫流産の治療法・対処法は?薬は使うの?

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妊娠12週未満の切迫流産に対しては、有効な治療法はありません(※1,4)。

確実に流産を予防できるわけではありませんが、長時間労働や立ち仕事などによる体の負担は流産のリスクになるおそれがあるため、ベッドで安静にして過ごすことになります(※5)。

妊娠16週以降の切迫流産に対しては、子宮収縮抑制薬を使って治療することもあります(※4)。

ただし、あくまでも症状を緩和するだけであり、流産の予防効果についてははっきりと証明されていません(※5)。

切迫流産のリスクを減らすには?

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切迫流産のリスクを少しでも減らすために、タバコに注意しましょう。

喫煙している妊婦さんはタバコを吸わない妊婦さんと比べて、早産や自然流産の危険性が高いことがわかっています(※6)。

普通のタバコはもちろん、加熱式や電子式のタバコの受動喫煙も避けるように心がけてくださいね。

感染症やストレス、過剰なカフェイン摂取なども原因となるため、注意しましょう(※3)。

切迫流産と診断されたら、とにかく安静に

妊娠22週未満に不正出血があったとしても、必ず切迫流産というわけではありません。また、切迫流産と診断されても妊娠を継続できる可能性があります。

切迫流産と診断されたら、医師の指示を守りながら安静に過ごすようにしてくださいね。

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